店主のひとりごと

 

  • 2019年01月31日(木)13時13分

Ella & Louis - Kさんからのメール

新納さん おはようございます。
一昨日Ella & Louisが届き、鑑賞しています。予想以上の素晴らしさです。
CD、SACD、復刻LPなど、諸々のメディアで長い間繰り返し聴いてきました。どこかセピア色の過去を感じたものでした。
自分は今現代のここにいて、EllaやLouisの素晴らしい演奏の記録を聴いている感じと表現すればよいのでしょうか。
ところが今回のオリジナル盤を再生すると、EllaやLouis、バックの面々が自分の6ー7m先に来てくれてそこで演奏してくれているようです。彼らと自分に時間の差を感じません。
もしかしたら、シンバルのハイハットの鋭い音や、ベースのブンブンとした迫力など、「音」1箇所の先鋭度を聴くようなオーディオマニアにとってはElla & Louis オリジナル盤は物足りないのかもしれません。
しかし、音楽を愛する人であれば声や楽器の発する音の産毛や音を発していない周囲に音が広がる雰囲気がそのままにパッケージされていることに気付くはずです。
再発、リマスター、再生装置のクオリティ不足など、ちょっとのことですぐに失われてしまう微細な情報ですが「今そこに来てくれている、自分も一緒にいる」というTime Machineとなるには必須の情報です。
1956年8月16日に演奏・録音されたこの素晴らしい演奏の場所に直接私が行くことは不可能ですが、不可能でないかのように感じる事ができました。全ての曲が私にとってお気に入りです。
盤質、ジャケットの状態も約65年前のものと考えれば非常に状態が良くGarrad 301にOFD 25を装着しモノラル再生している私の環境では、ほとんどノイズを感じません。
古いLP1枚に○万円という値段は、興味のない人にとってはオカシイんじゃない?となるのかもしれません。
でも、私にとってはプライスレスな買い物でした、寧ろ安い。
絵画や器の世界の超一流品を手元に置く財力は自分にはありません。しかし、LPは幸いに工業製品として大量に作られたので、その芸術的価値に比べとてもとても安い。
自分より遥かに優れた、しかも今は会うことができない人格に直接触れることができる。
レコードやオーディオは本当に素晴らしいモノだと思います。
本当にありがとうございました。
今後もよろしくお願いいたします。

By K

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  • 2019年01月20日(日)10時18分

音圧が低い

昨年8月頃、どうもスピーカーの音圧が低いと感じるようになった。ヴォリュームの位置をいつもと同じ(ステレオは11時、モノラルは12時30分)にしていても音が飛んでこない、というより音が小さいのだ。あれこれ考えてみても原因が分からない。その症状は9月になっても同じで、本当だったら9~10月の天気のいい日にはバリバリ鳴り出すんだけど今年は違うようだ。結局、熊本の佐藤俊哉さんに原因を調べてもらうことにした。

佐藤さんシステムを眺めていて、「スピーカーが曇っていますね、掃除していないでしょう?」とおっしゃる。
「はい、半年ほど掃除していません」。
「マーチン・ローガンは振動板がフィルムになっているから通常は後ろが透き通って見えるんですが、今は後ろがぼやけています。埃のせいでしょう」
忙しさにかまけてスピーカーどころかオーディオ周りの掃除を約半年ほどやっていなかったのだ。そのことが原因でマーチン・ローガンの網目の部分に埃が溜まり振動板が曇った・・・結果振動が弱くなっているのではとの診断が出た。

佐藤さんは早速振動板の掃除に取り掛かった。掃除機のヘッドを外してパイプ部分にトレーシーを巻きつけ、マーチン・ローガンの振動板に付いている網目の部分に接触しない程度の距離でパイプを動かしていくといった作業である。結構時間はかかったが、やる前と後ではマーチン・ローガンの透明度が違って後ろが透き通って見えるようになった。

佐藤さんは「ついでに接点クリーニングもやっておきましょう」と、プレーヤーからフォノイコ、プリアンプ、パワーアンプそしてスピーカー&ケーブルと接続部分全ての接点クリーニングをやってくれた。このとき使ったのはクレの接点復活スプレーとベビー綿棒である。
結果、作業前と作業後では全く違う音、音圧もグンと上がって全体的にクリアになり申し分ない音になったのである。
オーディオには掃除も重要ということを改めて認識させられた。

Chris Connor Sings the George Gershwin Almanac of Song

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  • 2019年01月03日(木)10時34分

札幌コンベンションセンター

昨年9月末、札幌市白石区にある札幌コンベンションセンターで「北海道オーディオフェア」が開催された。これまで同フェアは中央区の札幌芸文会館で開催されていたが建て替えになるとのことで新しいところになったようだ。コンベンションセンターは地下鉄東西線東札幌駅を降りて10分ほどの距離にあり、広大な敷地にかなりでかい建物である。
北海道は3週間ほど前に大きな地震があり「イベントは開催出来るのかな?」と思っていたのだけど、主催者のキャビン大阪屋さんには被害は殆どなく、またコンベンションセンターにも問題はなかったようで普通に開催されていた。ただ「地震の後だからお客さんは来るのかな?」という不安は少しあったのだが。

イベントは9月29日金曜日の午後から始まり、来場者の雰囲気も特に影響は感じなかった。オーディオフェアでレコードの販売コーナーを設置して展示販売するわけだが、これまではオーディオ・メーカーさんと同じ部屋にいるとお客さんと話すのも遠慮しないといけないしお客さんもあまりレコードコーナーを見ないので廊下や踊り場に展示していたのだが、今回はソフトだけ展示する部屋が用意してあって大阪屋さんのソフトと私のレコードをその部屋にセットすることになった。

2日目、始まって1時間ほど経った頃一人のお客様がクラシックを次から次にピックアップしながら「お宅のレコードは音が違うし、1年に一回だからこの際と思って選んでいます。」とおっしゃる。結局30枚近くお買い上げいただいた。いやいやこれは嬉しい。その後もお客さんはあまり途切れることなく順調である。

ところが午後2時ころになってお客さんが全然来なくなった。なんで?と思いながら大阪屋さんのソフト担当の方に聞いてみると「和田さんという評論家の方に来ていただいてセミナーをやっていますのでお客さんは殆どそちらに行っているんです。」とおっしゃる。これはどこのイベントでもあることで、少し前にセミナーが行われる部屋の前を通ったときに行列が出来ていたことを思い出した。セミナーが終わった頃から再びお客様がいらっしゃるようになって2日目はニコッとするような動きで終わった。

3日目お昼過ぎ、いらしたお客様が「いつもお世話になります、最近鎌倉に引っ越しした〇〇です」とおっしゃる。そういえば1ヶ月ほど前「東京から鎌倉に引っ越しましたので送り先を変更してください」というお客さんがいらっしゃったのを思い出した。
その方のおっしゃったことが聴き取れなかったので
「安田さんですか?」
失礼ながらその移転した方の名前を思い出せなくて、違う鎌倉のお客様の名前を言ってしまった。
「いや和田です」
「北海道にはお仕事で?」
「このイベントのために来ました」
たまにいらっしゃるのだけど、わざわざ遠いところからイベントを見るためにいらっしゃる方が。
通販のお客様と北海道でお会いするとはと名刺の交換をしたら、
「オーディオ評論家、和田博己」と書いてある。
「エ~、あの和田博己さん、いや知らぬこととはいえ失礼しました」
なんとセミナーの講師としていらしていたのである。そして和田さんの話を聞くためにお客さんが行列を作っていたのだ。

それからセッティングは重要、ソフトは重要などオーディオやレコードの話で盛り上がってしまった。不思議なことに私のオーディオに対する考え方と共通点がいくつもある。
ブルーノートの話になって、
「ブルーノートは殆どモノラルのほうが優れていますが、トニー・ウィリアムス/スプリング、ハービー・ハンコック/処女航海など後期のステレオにとても優れたものがありますね」
とおっしゃる。
これは以前から私が言っていたことと同じで和田さんもそのあたりのことはよくご存知である。オーディオ評論家にもソフトに詳しい方がいらっしゃるのだ(失礼な言い方だけどそうではないと思っていたのだ)。
「実はエリック・ドルフィー/アウト・トゥ・ランチもステレオ盤が優秀なので探しているんです」
とおっしゃる。
「ここにありますけど」
あったのだ、たまたま今回持っていったエサ箱の中に、その場でお買い上げいただいた。
「セミナーを少し拝見してよろしいですか?」
「どうぞどうぞ」

セミナーの時間になったので冒頭部分でも聞かせて貰おうとセミナー会場に。
和田さんはパナソニックの新製品テクニクス SL-1000Rのデモをやっていた。で、最初にかけたのは先程のエリック・ドルフィー/アウト・トゥ・ランチ、「ニイノニーノニで買った」との解説付きで。
出てきた音は・・・ブルーノート・ステレオの勢い、パワーそして臨場感も十二分に素晴らしく、和田さんの鳴らす力には感激した。

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  • 2018年01月28日(日)09時12分

めいてつショーホール

12月1日、ロイヤルオーディオさんのイベントに参加するため、松本空港に到着。バスで松本駅まで行き、イベント会場のめいてつショーホールへはタクシーに乗った。

Duke:「めいてつショーホールまでお願いします」
運転手さん:「イベントですか?」
Duke:「オーディオのイベントに参加するんです」
運転手さん:「あ、ロイヤルオーディオさんのイベントですね」
よくご存知である。
運転手さん:「オーディオと言えば1千万も2千万も使っている人がいるそうですね」
Duke:「結構いらっしゃいますよ。でも1千万使ったからといっていい音がするとも限らないんです」
運転手さん:「へ~、そうなんですか?」
Duke:「場合によっては1千万のシステムより百万のシステムのほうがいい音の場合もあります。やり方次第ですよ」
運転手さん:「どういうことですか?」
Duke:「オーディオはどんなに高価なシステムを使ったとしても、置いただけでは上手く鳴ってはくれませんが、的確なセッティングをやるとそのシステムが持っている能力以上のものを発揮してくれるんです」

そんな話で盛り上がっていたらあっという間にめいてつショーホールに到着した。運転手さんにお礼を言って会場へ。

ロイヤルオーディオの丸山社長に挨拶をして、これからセッティングと思った瞬間、
「あ、キャリーバッグがない、しまったタクシーのトランクに入れたまま降ろすのを忘れた」
慌ててタクシーを降りた会場入口まで行ったが、既にタクシーは過ぎ去った後。そりゃそうだ、タクシーを降りてから10分近くかかっていたのだから。

どこのタクシー会社かも分からない。たまたま入口の隣に屋外喫煙所があって降りたとき近くにいらした方に「どこのタクシー会社でした?」と尋ねたが「緑色のタクシーでしたが会社までは」。
わ~困った、手がかりがないと探しようがない。
何か手がかりは?しばらく考えて、あ、料金払った時にレシートを貰っていたのだ。

財布からレシートを出して見てみると松本タクシーと書いてあり、早速松本タクシーに電話をして
Duke:「松本駅からめいてつショーホールまで乗りましたがキャリーバッグを降ろすのを忘れまして」
タクシー会社:「どんな色の車でしたか?」
Duke:「緑色です」
タクシー会社:「問い合わせてみますのでしばらくお待ち下さい」

ジリジリして待ったけど、5分も経たないうちに先程のタクシーがやってきた。
運転手さんニコニコしながら:「いや~、話に夢中になっていて降ろすのを忘れていました」
Duke:「こちらも、ですよ。有難うございました」

大失敗なんだけど、後日、TVドラマ「孤独のグルメ」を見ていたら主役の松重豊さんが全く同じパターンの失敗をやっていた。


Bach: Viktor Pikaisen / Sonaten und Partiten fur Violine Solo

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  • 2018年01月05日(金)13時11分

メガネ

数年前、博多駅地下商店街のメガネ店に入ってみた。特にメガネを買いたいとかそういうわけではなかったけど、フラっと。
ショーケースを眺めているとお店の方から突然「メガネをお湯で洗うと汚くなりますよ」と言われた。ちょっとビックリしたが、私のメガネが汚いとい言いたかったのだろう。
ムカッとして、何も返答もしないでそのままお店を出た。
家に帰って眼鏡をよく見てみたのだがそんな傷んでもいないし、汚くもない。二度とあんな店に行くもんか(老眼だから細かいところは見えていない)。

ひと月ほど経ったころ何気なくメガネを見てみると、なんと鼻に当たる部分、パッドのネジにカビが生えているしパッド自体も変色しているではないか。う・・・汚いと言われるはずだ。
数年使っているとパッドが汗や脂で変色するということを初めて知ったし、あの時点で相当傷んでいたはずだとも。でも、あのお店には行きたくない。

近くにメガネ屋さんはないかと奥さんに聞いたら「サンリブにメガネ屋さんあるよ」。
で、早速サンリブ古賀店のメガネ屋さんに行ってみた。

「パッドが汚れているんですけど、どうにかなりますか?」
「交換すれば大丈夫です、しばらくお時間を下さい」と若い女性スタッフがおっしゃる。
「お願いします」
10分ほど待つと「出来ました」
新品のパッドに交換してあって、カビも綺麗になくなっている。
「いくらですか?」
「お代は結構です、パッドは半年に一度くらいは交換したほうがいいのでいつでもいらしてください」
ただでは悪いのでちょうど交換したいと思っていたメガネケースを買うことにした。

それから1年に2~3回耳パッドを交換してもらっているのだが、いつも無料・・・その度にトレイシーやメガネケースを買っている。
こんな商売もあるんだな~、とか思っているうちに次に新しいメガネを買うときはあのお店から買おうと思うようになった。

2018年元旦、帰省した娘が「お父さんのメガネ割れているよ」
よく見てみると確かに先セルの付け根部分が左右とも欠けている。落としたことも何度かあるし自分では気付かないうち欠けてしまったみたいである。

1月2日、サンリブの初売りなので、早速メガネを買いに出かけた。
いつもの若いスタッフさんに
「メガネをください、老眼鏡です」と言いながら、自分のメガネを出して「先セルが壊れていますしかなり傷んでいますので」といったところ、スタッフさんは
「先セルは交換出来ますので新しくお買い求めにならなくても。(交換するのは)見えにくくなったときでもよろしいのではないですか、お掃除すれば綺麗になります」
売ってくれない!

結局、先セル&フレームの下の部分を交換そして掃除してもらったお陰でとても綺麗になった。で、今回はタダではなかったが、それもほんのわずかな金額(1000円も払っていない)だった。

いつになったらあのメガネ屋さんからメガネが買えるんだろう?
絶対あのお店から買ってやる!!

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