店主のひとりごと

 

  • 2016年10月08日(土)10時10分

「杜の会in白馬 ’16秋」報告 No5

第3部「フリータイム」地下JBLルーム

三度目のオープニングは洗濯船Mさん
CCR『雨を見たかいHave you ever seen The Rain?』日リバティ シングル盤
1971年発表。ベトナム戦争末期。Rainとはベトナムに投下されたナパーム弾を「晴れた日に降る雨」と表現し、アメリカでは放送禁止に。歌うことが主張だった時代の一曲。

SPUさん
コルトレーン『至上の愛』米インパルス(MONO)
これも時代の問題作。第1曲の終わりに登場する「お経」がいつ聞いても意味深ですが、ひとつの濃厚な音楽として愉しみたいものです。貴重なオリジナル・モノラル盤の音は腰が強く、コルトレーンのテナーが太い。

ソニー・クリス『アット・ザ・クロスロード』米プログレッシブ
「スイート・ロレイン」…「では、今度はストレートなジャズで」とおっしゃるSPUさんですが、ヴィヴラートの強い、尖った音色の一癖あるアルトサックスです。共演のJoe Scottとクレジットされたピアニストが実はウィントン・ケリーというのも面白い。

パラゴンさん
ホレス・パーラン『アス・スリー』米ブルーノート
「アス・スリー」…ホレス・パーランは右手に障がいがあって、主に左手を主にして演奏するピアニストでした。そのせいか、強靭なペースとドラムスに導かれるピアノは歌うピアノではなく、刻むピアノです。濁りとキレで出来たその音は、ブルーノートの録音と相性が良さそう。

Roxanさん
アル・コーン『オン・ザ・サクソフォーン』英DONE
ハンク・ジョーンズやミルト・ヒントンとの共演が楽しめる一作。ちょっとかすれた、よく膨らむフレージング。Bassclef君がコメントしていました。「地味だけど実にいいレコード。いつもは柔らかい音色のアル・コーンだが、アドリブの中で、高音の方にいくと、時に鋭い音を発する。その時の音のかすれ方が…ちょっとレスター・ヤングに似ているのかもしれない」

マントさん
エドゥアール・リンデンバーグ指揮 11人のアンサンブル サン=サーンス『動物の謝肉祭』仏オデオン10インチ盤
アンリ・メルケル、アンドレ・ナヴァラら豪華メンバーをそろえた演奏です。オンマイクで、奏者たちひとりひとりが飛び出してくるような鮮度。全曲の白眉はナヴァラが弾く『白鳥』の悠々たるチェロです。30年前、彼と握手したときの手の温もりを思い出しました。

Dukeさん
オードリー・モリス「酒場のバラード」表題曲 米RCA《X》レーベル
RCA廉価盤シリーズの中でも、演奏音質ともに特別な掘り出し物とのこと。鋭い眼光を飛ばすジャケットのポートレートが挑みかかるようですが、内容はピアノを弾きながらしっとりと歌いかけるバラードです。

SPUさん
セロニアス・モンク 米ブルーノート10インチ盤
「ラウンド・ミッドナイト」1947年11月21日録音…アルフレッド・ライオンに見出された無名時代の青年モンクの録音。やや古風なヘッドアレンジで始まりますが、あの不思議なフレーズと音圧の強いタッチは確固としていました。オリジナル盤に封じ込められているのはモダンジャズ黎明期の濃厚な時間。

Roxanさん
ステイタス・クウォー『スペア・パーツ』英パイ
イギリス・ロックの代表的なバンドだそうです。おや、洗濯船のJBLシステムの音が噂の「牙」を向いてきたような…

洗濯船Mさん
ビートルズ「抱きしめたい」英パーロフォン シングル
「私の思い出のバンド」といってかかったシングル。お馴染みの一曲でも、なんだか音の雰囲気が違う。腹の奥に突き刺さってくるようなこの尖り具合。やはり「牙」でしょうか?

ワガママオヤジさん
ちあきなおみ「夜を急ぐ人」日コロムビア シングル
「喝采」の陰に隠れがちだが、これこそ名曲とワガママオヤジさんが太鼓判。フォーク調の暗さが、彼女の歌い口に共鳴して、部屋の湿度が高まります。

マントさん
ポール・マカノヴィツキ(Vn) ベートーヴェン「クロイツェル・ソナタ」仏ルーメン10インチ盤
フランス盤愛好家お墨付きの名ヴァイオリニストの登場です。録音は名エンジニア、アンドレ・シャルラン。重厚長大なイメージの曲も、マカノヴィツキの手にかかれば繊細優美な音の流れに変貌してしまう。ノエル・リーのピアノ伴奏もお見事。

yositaka
エフゲニー・ムラヴィンスキ指揮レニングラード・フィルハーモニー交響楽団『モスクワ・ライヴ1965』 露メロディア
グリンカ「ルスランとリュドミラ」序曲…ついに「頑固指揮者」三人目を出してしまいました。これは史上最速の「突進するルスラン」として夙に有名な演奏です。yositakaには珍しいオリジナル盤なんです。えっ、安いって?

チャランさん
『アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズム・セクション』 米コンテンポラリー
ジャズの名録音といえば、これでしょう。もちろん演奏もすばらしい。何の苦もなく湧き出る泉のようなアルトは、モーツァルトを思わせます。ジャンキーで、生活が荒れ荒れだったことも二人は似ている。

Roxanさん
ハウリン・ウルフ 『MOANIN' IN THE MOONLIGHT.』.米 Chess.
凄い濁声が胸を掻き毟るようなブルース、このサウンドはまさに「ハウリング」です。洗濯船JBLシステムがついに「牙」を剥きました。

チャランさん
フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィル ブルックナー「交響曲第6番」~第2~3楽章 仏フルトヴェングラー協会
1943年の貴重なマグネトフォン録音のひとつですが、惜しくも第1楽章が欠落しています。第2楽章アダージョはロマン的うねりを持ちながら透明感も備えた演奏。第3楽章スケルツォは逆に畳み掛けるように疾走します。

マントさん
ジネット・ヌヴー(Vn)シュミット=イッセルシュテット指揮ハンブルク北ドイツ放送交響楽団 ブラームス「ヴァイオリン協奏曲」~第3楽章 1948年ライヴ 仏スティル
クラシックならデュ=プレ、ジャズならパーカーと同じ荒ぶる魂の持ち主であるヌヴーのブラームス。フルトヴェングラーのマグネトフォン録音を手がけたフリードリヒ・シュナップによる名録音を、最上に再現するのが仏スティル盤です。

クラシックの大曲が2曲続きました。気付くとリスニングルームは閑散…時刻は午前1時を少し回ったところです。
洗濯船Mさんチョイスの『バド・パウエル・トリオ』をエンディング・テーマに、今年の秋の杜もお開きです。
皆さん、お疲れ様でした。ゆっくりお休みください…

お休み
マントさん
チャランさん

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  • 2016年10月08日(土)10時08分

「杜の会in白馬 ’16秋」報告 No.6

初めにご紹介した童話『月夜のでんしんばしら』の作者は、宮澤賢治です。
賢治は詩人、童話作家であるだけでなく、岩手きってのレコード・マニアでもありました。彼は膨大なSPレコードを、近所の楽器店を通して発注。英ポリドール(1924年設立のDGの分社)は、日本の田舎で売れるクラシック盤の異常な数に驚き、1927年、この楽器店に感謝状を贈ったのです。
賢治が「月夜…」を含む童話集『注文の多い料理店』を出版したのは1924年。これはレコード録音が機械録音から電気録音への切り替わった年で、賢治のレコード収集が最も加熱していた時期でした。初めて聴く電気録音の鮮明さに、賢治はどんなに驚いたことでしょう。
『月夜のでんしんばしら』のラストシーン。
線路をやってくる汽車の窓が真っ暗なのを見た電気総長は「こいつはしまった。けしからん」と叫んで走っている列車の下にもぐりこます。
「あぶない」と恭一がとめようとしたとき、客車の窓がぱっと明るくなり、一人の小さな子が手をあげて「あかるくなった、わあい。」と叫んで…物語はそこでぷっつりと終わります。
賢治が蓄音機やレコードを題材にした作品を残さなかったのは残念ですが、私にはこの作品が、賢治が言葉で描いた音楽賛歌にも思えるのです。

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  • 2016年09月03日(土)11時25分

モノラル?

最近立て続けに同じパターンの考え込んでしまうことがあった。
お客様が試聴希望されたときタイトルやミュージシャンの指定がなければ音が良くて演奏内容も優れたものをかけるようにしている。

1ヶ月ほど前、たまにいらっしゃる方にFrankie Carl / Top of The Mark(RCA LSP 2233)をかけたところ、「モノラルですか?」とおっしゃる。このアルバムはRCA Living Stereoで、特にステレオイメージが豊かなところが特徴であり、優秀録音盤と思っているのだが。

数日前、遠方(本州の北部)からわざわざいらした方に、Doris Day / Sentimental Journey(Columbia CS 9160)をかけたところ再び「モノラルですか?」とおっしゃる。このアルバムにしたって見事なステレオイメージがあり、私の大好きなステレオ盤である。

同じことが2回もあると、ちょっと悩んでしまった。
我が家のシステムはステレオイメージをよく出すのだが、可聴位置が狭いためセンターに座らず偏った位置で聴くと片方のスピーカーの音ばかり聴こえるというところはあるのだが、どちらもセンターで聴いておられた。

モノラルレコードをかけたとき「音離れがいいのでステレオみたいに聴こえますね」という方はたまにいらっしゃる。このときは「私もそう思います」と答えている。こちらは当たり前のことである。

では何なの?
あくまでも想像だが、ソロ楽器ないしはヴォーカルがセンターに定位してスピーカーの前に飛び出してきた場合、そんな音を聴いたことがなかったらそこばかりに気を取られてモノラルと勘違いしてしまう。
または、音はスピーカーから出てくるものと思っている場合、ちょっと語弊があるので言い方を変えると、いつもスピーカーにへばりついている音を聴いている場合、音離れが良くてスピーカーの存在を感じさせない音を聴いたときには、センターに定位した音に耳がいってしまい、勘違いしてしまう。
はっきりした結論はまだだけど、こんなところだろうか?

左:Frankie Carl / Top of The Mark
右:Doris Day / Sentimental Journey

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  • 2016年08月05日(金)08時33分

「杜の会in白馬 ’16秋」のお誘い

世間では・・・・アナログレコードが復権しているとか。CDも売り上げが芳しくなく、SACDは何処へいったやら。PCオーディオは訳が分からずデータ配信も何だかなあ。一旦仕事をリタイヤして時間が出来たおじさん達が昔のレコード引っ張り出してきたり、LPそのものを知らない世代が物珍しげにトンチンカンなやり方をものともせずプレーヤーを廻している昨今。

復権だって?自慢じゃないが毎年飽きもせず白馬に集まっているおじさん達はアナログを止めた事など一度も無く、それどころかオリジ地獄に堕ちてこのかた十数年。いや、もっとか。傷だらけでカビ臭い古レコードを一人ニタニタ笑いながら深夜眺めて悦に入る、まさしく病人連中。

世間の冷たい目もなんのその、今年も元気に彼の地にて音楽三昧に浸れる恒例のひとときを提供いたします。新しい演目は・・・得にありません。いつもどおりです。

という訳で「杜の会 in 白馬 ’16秋」下記のとおりご案内申し上げます。久しぶりの面々と気のおけない会話と良い酒と旨い食事と音楽と。お待ちしております。


・日時:2015年10月1日(土)

・場所:ペンション洗濯船
     長野県北安曇郡白馬村大字北城3020-1109
     Tel:0261-75-1066 Fax:0261-75-1067
     e-mail p-info@sentakusen.info

・スケジュール 
PM3:00頃スタート
  <第一部>
   冒頭挨拶:Duke
   歓迎の言葉:洗濯船M
   トーク:ひとり1曲 「酔う前に聴いて欲しいこの1曲」
  
  <夕食・宴会> 

  <第二部>
   レコードタイム:「ほろ酔いの貴方に捧げるこの1曲」
   オークション  :「今年もやってまいりましたこのひと時。安く出します、出させ
ます。札束舞います。」
   リスニングタイム
      ・
      ・
   各自就寝

  翌日AM8:00頃朝食、清算
  解散

=連絡事項=

◎持ち物:お聴かせ用レコード(特に枚数制限はしませんので各自の判断で)
  オークション用レコード・オーディオ製品
(出品は自由です。特に数量制限はありません)
  寝間着・洗面具
(歯ブラシ等はペンション備え付けもありますがなるべくご持参下さい)
     
◎精算金 
  1泊2食¥7,700(税込み)+α(酒代等)
  おつりの関係がありますので細かいお金も準備していただくと幸いです
  なお、カードによる清算はできませんのでよろしくお願いします

◎入浴は24時間OKです

◎参加申し込みについて:  
  参加ご希望の方はSPUまでメールにてご連絡下さい。
  e-mail al-owa@polka.plala.or.jp
  どなたでも参加できます。初めての方も大歓迎です。お気軽にどうぞ。


左上:右から八方尾根、五竜岳、鹿島槍ヶ岳
右上:息ケルン辺りからの白馬三山
左下:八方池と左に不帰の険、右に天狗尾根

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  • 2016年04月04日(月)09時50分

セッティングは重要4

「照明」
朝から小雨、古賀地方は昨日が花見の最盛期だったようで、ご近所で満開の桜を眺めることが出来た。忙しいから桜の下で宴会なんて出来ないけど。

ここ半年、我が家の音はひどい状態、モノラルはまだ聴けるのだけど、ステレオがどうもいけない。音のいい場所を求めて花見南に来たんだけど、ここもダメなのかな~?と思いながら原因を考えてみた。
とにかくルームアコースティックに問題があるのだ。電源はオーディオ専用にして、テーブルタップや壁コンセントはこれまで聴いたものの中でベストというものを使っているけど、電源スイッチを入れて「さあ聴こう」としたときのSN比が悪い。だから、音の悪い原因が探れないのだ。

リニアトラッキングアームを浮かせるためのコンプレッサーを2階に置いていて、コンプレッサーによる振動音はかなり対策をしたので支障のないレベルにはなっていないし、ステレオ用プレーヤー、VPIの古いものからは若干のモーター音が出てはいるが、直接音に影響のあるレベルでもない。ずっと考えて思いついたのが、移転したときには既に取り付けてあった古い蛍光灯のシャンデリア。これに原因があるとは思っていたのだが、換えるとしたら白熱球照明だけど、簡単には手に入らない。LEDはいいものか悪いものか分からないと思っていても、娑婆は全てLEDに替わっていくなか悶々としていたらいつの間にか3年経ってしまった。

3月初め、良くなるかどうか分からないのでもうイチかバチか、照明をLEDに換えることにした。古い蛍光灯のシャンデリアを外して、今風のスッキリしたLED照明に換えたら・・・なんとSN比が抜群に向上、音の善し悪しがはっきりするレベルになったではないか。

そこでモノラルは良くてステレオがイマイチの原因はカートリッジの劣化によるものではないだろうか?と思えてきた。ステレオ用カートリッジにはベンツマイクロ・ACEを使っているが、一度針先のみ交換して(本体ごとの交換ではない)、それから数年経っていた。試しに手元にあったZYX R100に換えてみると、あらあら、普通のいい音になってきた。ソフトによる音の違いも明瞭で、特にTAS Super Discの良さも十分出せるようになった。カートリッジの経年劣化が音に影響を与えていたのである。なんか数年のもやもやが一度に解消されてスッキリした。

今のところオーディオルームの照明は天井に2箇所、パソコン用に卓上スタンド1箇所(ここまでLED)そしてフロアスタンド1箇所(白熱球)になっている。
ベストは白熱球のフロアスタンドのみで聴くときだが、これでは暗すぎるので試してみた結果、天井1箇所&卓上スタンドの場合より天井1箇所のほうが少しいいレベル。LEDで問題はないのははっきりしたけど、最小限に使ったほうがSN比はいいようだ。

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