店主のひとりごと

 

  • 2020年05月12日(火)10時41分

目標とする音2

アンプ、プレーヤーそしてスピーカーなどを高価なものにすれば音質は必ず向上すると考えている方はオーディオ・マニアの90%以上はいらっしゃるだろうし、30年前の私もそうであった。
もっと良いシステムにしようとオーディオ店めぐりをしていたのだが、なかなかこれはという音を聴かせてくれるオーディオ店には出会わなかった。

やはりオーディオ誌からの情報で、目の前でコンボやオーケストラが演奏している様子が分かるような音があるだろうとおぼろげに求めていたのだが、出会いがないのである。
そうしている内に出会ったのが熊本のオーディオショップ・アリミズさんである。ありました、目の前でモダン・ジャズ・カルテットが演奏している様子がオーディオから出てきたのである。自分がおぼろげながら求めている音が目の前にはっきり出てきたのだ。ミルト・ジャクソンはセンターから右側にかけて立ってヴァイブを奏でているし、ジョン・ルイスは左側に座ってピアノを弾いて、パーシー・ヒースはセンター後方でこれも立ってベースをパワフルに弾いて、コニー・ケイは右後方で座ってドラムを叩いているのである。その時の衝撃は今でもはっきりと覚えている。
スピーカーがマーチン・ローガンCLSだったのでそのスピーカーに憧れてしまった。

以後、マーチン・ローガン購入までの経緯は省くが、購入してからは相当な苦労があった。目出度くマーチン・ローガンとアンプ、プレーヤー、ケーブル&カートリッジが揃って音を出してみると「あれ、思っていた音とは違う」である。
この頃、大建工業のオトテン、オトカベ、オトユカでオーディオルームを作っていたし、シンメイさんの助言や佐藤匠の力を借りながら様々な対策をやったおかげである程度の立体音場、つまり目の前で演奏している様子は再現できるようになった。

これで満足していたつもりだったのだが、レコード店を始めてからお客様宅に伺う機会が増え、立体音場を上手く再現しているケースにはあまり出会わなかったが、凄くふくよかな音を出している方もいらっしゃった。
現在進行系ではあるものの、この頃に自分が出したい音がわりあい明確になってきて、目の前で演奏していることが分かりなおかつふくよかな音そしてナチュラルな楽器の音色やヴォーカルでは人の声が人の声として聴こえるような音を求めるようになったのである。

ただその後、新宮町に移転したことでこれまで積み上げてきたことが全くゼロになったこともあったし、再度古賀市に移転して、こちらでは周辺の条件や部屋の作りがそんなに悪くなかったので、対策を施すことによってある程度のレベルまで積み重ねられてきたのである。

オーディオはどんなに高価なシステムを導入しても、置いただけでは能力は発揮できないので、ルーム・アコースティック、振動対策その他を的確にやることによってシステムの能力を引き出すことが出来るのである。また、目指す音がはっきりしていると音質の進化は早いと考えている。


ルーム・アコースティックの例
左上:定在波対策のためにスピーカーのセンター及び左右後方にチューブトラップ
右上:上下が平行な面の場合反射が出るので、レコードラックの天板にハーフトラップ
左下:フローリングは反射が多いので絨毯でカバー

アップロードファイル 155-1.jpgアップロードファイル 155-2.jpgアップロードファイル 155-3.jpg

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  • 2020年02月05日(水)20時42分

エアとチビの会話

エアとチビの会話

エア:おい、どぎゃんしたつや?
チビ:最近えらい元気が良かごたる。
エア:なんで?
チビ:また恋しとるとじゃなか。
エア:誰に?
チビ:博多の病院の看護師さんのごたる。
エア:ふ~ん
チビ:この間、病院に行ったてたい。そして受付の人に「Yさんはお休みですか?」て聞いたて。そしたら受付の人が「あの方はパートですからシフトによっていらっしゃる日とそうでない日があるんです」て言わしたて。で、バカだけん「私はYさんのファンです」て言うたてたい。
エア:笑わるっどもん。
チビ:そがんでもなかごたった。

エア:おい、今日病院に行かしたばってん、どぎゃんだったつや?
チビ: 受付の人が「今日は来てますよ」て言わしたてたい。そいでYさんに会えたって。
エア:で?
チビ:いつもんごつ「おはようございます」って言ってニコッと笑わしたて。
エア:ん、そいで?
チビ:「おはようございます」ては言うたばってん、ほかは何も言えんだったてばい。
エア:いっちょん変わらんね。

エア&チビ - 熊本出身の猫

Photo: Ann Richards/Ann, Man!

アップロードファイル 154-1.jpg

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  • 2020年01月02日(木)20時01分

メガネ2

2019年年末、メガネの調子がイマイチおかしい。パソンコンを見るときは普通なんだけど、食事のときTVの画面がボヤケて見える。裸眼のほうがはっきり見えるのである。食事のときに食べ物はきちんと見えたほうが味が分かりやすのでメガネをかけているけど、1,5mほどの距離にあるTVの画面がボヤっとしているのだ。メガネを外してみるとこっちのほうが焦点が定まっている、それにとにかく汚れやすいのである。
ボチボチメガネを新調する時期かな~?
ようし決心した、メガネを新しくしよう。

2020年1月2日、サンリブのメガネ屋さんに出かけた。そのときお店には男性の店員さんが2人、そして2年前に売ってくれなかった女性の方がいらっしゃる。まっしぐらその女性の方へ。
「メガネを買いたいんですけど」
「以前こちらでお買い求めになりましたか?」
「いや、初めてです」
「何度かお見かけしているんですけど?」
「パッドの交換をお願いしたことがあります」
それから症状の説明
「TVを見るときに・・・」。
説明したら今回はどうも売っていただけるようでまず視力の検査から始まった。

最初は普通の視力検査だったが、いろんな検査があるのだ。かなり長い時間検査して、このへんでというところまでこぎ着けた。
「フレームは如何しましょうか?」
今までかけていたのと同じようなタイプからちょっと気取ったようなものまで色んなタイプがある。このへんで私にも色気が出るのだな。同じようなタイプは手頃な価格だが、これはというものはやはり値段が張る。
悩んでいると
「こちらがお似合いです」
とお高いほうを勧めてくれた。
私は甘い言葉に弱いから、結局フレームはお高い方を選んでしまった。
次はレンズ。レンズにも普通のものから高級なものまでタイプがあるのだが、レンズを高いものにすると予算が大幅に上回るので安めのものにした(本末転倒かも)。

メガネの注文が済んで会計を済ませた後、「実は2年前に買おうとしたんですが、売ってもらえなかったので私のコラムにその時のことを書きました」
彼女は「エッ!」といった様子で
「知りませんでした」
「メガネが出来上がったときにこの話は完結ですね」
1週間後の出来上がりが楽しみだ。


ちょっと違うかも

アップロードファイル 153-1.jpg

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  • 2019年12月12日(木)11時10分

お客様からの質問

リストの表記で簡略したものや言葉の意味が不明といった問い合わせがありますので、いくつか説明しておきます。

>>deep groove
深溝のことです。レーベルによって違いはありますが、40年代から60年代の中頃までのレコードにはセンターラベルの内側1cmくらいのとこに溝が有るものと無いものがあり、一般的に同じレコードであれば溝の有る方の制作年代がより古いものとなります。レーベルと時代によっては溝の有るものがオリジで無いものをオリジとしない場合もあります。但し、例外もありまして、Libertyは無いものが古いといった場合もあります。

>>company sleeve
後で取り替えたものではなく、メーカー制作の内袋が付いていること。

>>London Blue Back
Deccaというレーベルは米Deccaと英Deccaがあり、この2社は1940年頃までは同じ会社でしたが以後分裂して資本形態が別の会社になりました。米Deccaをイギリスで販売する場合はBrunswickというレーベル名、英Deccaをアメリカで販売する場合はLondonというレーベル名を使用しました。ステレオ盤の初期に英Decca制作のLondon盤は裏面が薄いブルーになっていて音がいいとされています。これをLondon Blue Backと称します。

>>wobc
write on back cover、つまりジャケットの裏面に落書きがあるという意味です。

>>white sleeve
発売時から付いていると思われる、後で取り替えたものではない白地の内袋のこと。

>>flat disc
国によって異なりますが、1950年代中頃以降レコードの最外周部に針が横滑りしないように盛り上がっているグルーブガードが付くようになりました。それ以前のものには付いていないので同じレコードでも付いているものより付いていない(flat disc)のほうがより古いとされます。

>>flip back
イギリス盤に注目すると1960年代中頃までジャケットの裏面に折り込みの付いているものとそうでないものがあります。付いているものをflip backといっています。これもflip backがより古いものとされます。

Libertyの最初期は溝なし

アップロードファイル 152-1.jpg

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  • 2019年05月15日(水)11時18分

ドリス・デイさんご逝去

昨日、ひきこ杜さんから電話
「ドリス・デイが亡くなったそうです」
「知らなかった。有難うございます。」
早速ネットで調べてみると「5月13日、97歳で逝去」とあった。

ドリス・デイはハリウッドスター&歌手で、どちらでも成功した数少ない芸能人だった。1960年代に映画で見た記憶はあるが、あまり印象には残っていないのは残念でならない。
はっきり彼女を意識しだしたのはレコード店を始めて間もないころ、寺嶋靖国さんのラジオ番組にゲスト出演したときの寺嶋さんとの会話からであった。内容は「過去の今週の一枚」の"Latin For Lovers" Columbia CS 9110に書いているので興味のある方はご覧頂きたい。
それまでフェロモンを感じるヴォーカルといえばジュリー・ロンドン、アビー・レーンなど強烈なフェロモンを撒き散らすタイプで、私にはほのかなフェロモンを感じる(聴く)力がなかったのだろう。ラジオ番組の後ドリス・デイを聴き直してみると「ん、これは」と思い、それから興味を持って聴くようになったのである。
ドリス・デイはColumbiaにかなり多くのアルバムをレコーディングしているので聴いていくと、表現力が豊かで1枚のアルバムの中でも曲ごとに違う表現をし、歌の持つ意味や彼女が伝えたいことがストレートに伝わってくるというところが歌手としてのレベルの高さである。例え有名歌手でもどの曲を聴いても同じという歌手はたくさんいるのだ。

これまでドリス・デイのアルバムについてはかなりの枚数聴いているので、特に印象深いアルバムと、そのアルバムでベストと思われる曲を紹介してみよう。

Day By Night Columbia CL 1053
「アラバマに星落ちて」
「昨日の貴方は素敵だった・・・」その気持が伝わってきてゾクゾクしてしまう。「夜用のレコードだけど夜聞くと危険」はこの曲を聴いているときに浮かんだセリフである。

Day in Hollywood  Columbia CL 749 
「二人でお茶を」
少し前に北九州からK藤さんが見えた。K藤さんは勝浦のときからのお客様で、ご来店いただくときはいつも奥様ご同伴である。K藤さんが聴かれるのはヴォーカルが多く、そのときもヴォーカル・メインで聴いて頂いていたときドリス・デイの話になったところ奥様が「ドリス・デイの「二人でお茶を」聴きたい」とおっしゃる。「在庫あったっけ?」とか思いながら探していたら、ありました。"Day in Hollywood"の1曲目に入っているのだ。ドリスがサラッと歌っている。このサラッとがいいのだ、忘れた頃に聴きたくなる魅力がある。

Day by Day Columbia CL 942
「枯葉」では、ベヴァリー・ケニーの「グリーン・スリーブス」みたいな「ルー・ルー・ルー」をやっていて、これがまた男心をくすぐるのよね~。ベヴァリー・ケニーとはちょっと雰囲気が違って、色っぽいというよりまだ子供っぽい「「ルー・ルー・ルー」なのだ。いや~、これはたまらん。

What Every Girl Should Know Columbia CS 8234
「ムード・インディゴ」は少年と少女の恋のお話しですが、ドリス・デイが歌うとちょっと明るめの大人の恋に変わります。オーケストラバックのヴォーカルもののステレオ録音では、モノラルみたいにヴォーカル中心にスポットライト当てるだけではだめでオーケストラとの融合が難しいところですが、このドリス・デイはモノラルなみのヴォーカルの質感とスピーカーの存在を感じさせないオーケストラの融合が見事です。これを聴いたらほかのレコードが聴けなくなるレベル、特に夜聴いたら〇〇が××に。

I Have Dreamed Columbia CL 1660
数あるドリス・デイのアルバムで私の最も好きな一枚。「夢見る頃を過ぎても」はナット・キング・コールの名唱で知られ、たくさんの歌手が歌っているけど、女性ではドリスが一番。「夢をみるには歳とりすぎた、恋をするにも・・・でも貴女のキスが欲しい」・・・いや~、聴いていると涙が出てきて。ドリス・デイが貴方に夢を語りかけてくれます。

Latin For Lovers Columbia CS 9110
「パーハップス・パーハップス・パーハップス(キサス・キサス・キサス)」では、元々ラテン語の曲を英語で歌っていて、「キサス・キサス・キサス」という部分を「パーハップス・パーハップス・パーハップス」と言っているのだけど、これがもうたまらんフェロモンなのだ。「パーハップス」は何度も出てきて、終盤になるほど熱を帯びてくる。特に最後に低い声で「パーハップス・パーハップス・パーハップス」ときたら聴いているほうは「あ~、もうダメ~」となってしまった。(言っとくけどオナニーはしなかったよ)

Sentimental Journey Columbia CS 9160 
「お久しぶりね」
このアルバムはタイトル曲もいいけど、やっぱり「お久しぶりね」を押したい。いつの事だったか、夕方熊本市の下通りを歩いていたら昔友達だった人妻にパッタリ会って、その後二人でスナックに行って・・・話の続きはアナログ誌8号に書いたので省略するけど、その思い出がまざまざと蘇るのである。

合掌。

Day By Night Columbia CL 1053
What Every Girl Should Know Columbia CS 8234
I Have Dreamed Columbia CL 1660

アップロードファイル 151-1.jpgアップロードファイル 151-2.jpgアップロードファイル 151-3.jpg

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