店主のひとりごと

 

  • 2012年05月03日(木)07時53分

内に向かう力~春の杜1

狸が、出るそうである。

ここ、藤井寺は大阪府東部に位置する市。
日本有数の古墳地帯で、ちょっと見に山に見えるのが、4世紀前半造営と思われる、応神稜古墳だ。日本に残る二番目に大きい前方後円墳という。その古墳を取り巻くように広がっている歴史ある町並みに、細い路地が血管のように縦横に走る。近隣には由緒ある寺社も多い。
方向音痴のネコパパ、散策に出かけたら、たちまち道に迷いそう。

baseclef君とネコパパが同乗するkonken君の車が、松の枝を巧みによけて、古い門構えの前に停車する。
江戸時代後期に作られた庄屋のお屋敷は、門、庭園、蔵と、当時のままの佇まいを今に残していて、思わず見とれてしまう壮観さだ。
ここが、音盤愛好会「杜の会」会場のYOさん邸。
広い邸内を流れる空気にも長い長い時間の蓄積を感じる。しかし、階段を上り、20畳程の広さのリスニングルームに入ると、印象は一変する。YOさん選り選りの再生装置と音盤コレクションの存在感に言葉を失う…

午前に到着した人たちは、会の始まりを待たず早速YOさん所蔵の音盤を聴かせていただいている。
ノッティンガムの重厚なターンテーブルに回る盤から引き出されるのは「熟成」という言葉がよく似合う、装置の存在を感じさせない音質だ。
UREI813大型スピーカーの発する音は、想像していたような迫力系とは一味違って、半壊状態のネコパパの耳にも心地よいまろやかさを感じさせる。

開始時間になると、座長のDukeさんの挨拶。先日亡くなられた会員を悼んでの黙祷を経て、メインの会になる。
会の流れは概ね決まっている。
最初は会員が毎回一人、順繰りに行っている45分トーク。個人のテーマで選んだ盤を存分に掛けられる我儘な時間だ。それが終わると、一人10分の持ち時間で、参加会員全員が持参した盤を鳴らしていく。
今回の参加は12人、一日で回ったのは、一巡半…というところかな。
その合間に、昼食、お茶の時間、Dukeさんのオークションタイム、宴会の時間が加わる。YOさんの奥様の温かい心遣いが嬉しい…

耳にした音楽の印象を、少し。すべては、とても書ききれそうもない…。

YOさんコレクションから。
『ハンプス・ピアノ』(SABA)ハンプトン・ホーズ後期の、50年代とは違った情感の迸りを見事に捕らえた録音。
『リッチー・カミューカ』(MODE)知られざるサックスの名手、暖かく豊かな歌心。

Bowieさん45分トークは、ロック中心に12曲。
『TOTO』は、他盤とは違う音の暗さのようなものが感じられた。
このとき、「特にロック色の強い一曲」と、Bowieさんが紹介されたことがちょっと気になった。ロックバンドで、かつロック色が強いとは、どういうことだろう。

M54さん。
ジョージ・ラッセル『エズゼティック』から、エリック・ドルフィーのバスクラリネットが際立つ「ラウンド・ミッドナイト」
ここでのドルフィーの長大なソロには、先鋭さと漆黒の叙情が漲る。

Baseclef君。
マイルス・デイヴィス『マイルス・アヘッド』。
モノラル、擬似ステレオ、そして、はるか後になって発見された、オリジナルステレオ盤の比較。
マイルスの孤独の色が濃いトランペットが、ギル・エバンスの茫洋としたアンサンブルから浮かび出る。それにしても、こんなに良好なステレオ音源が、長くお蔵になっていたのはなぜだろう。

PaPaさん。
チャーリーパーカーの演奏に秘める音階構造を、譜面を使ってトークされた後に『ナウズ・ザ・タイム』を。
音楽と音盤は違う、とのPaPaさんの考えがよくあらわれた一齣。

YOさん。
その年の来日公演に行かれたという、1979年のアート・ペッパー日本ライヴ『ベサメ・ムーチョ』(ビクター)から
タイトル曲と「いそしぎ」を。
アート・ペッパーの、1950年代の演奏と比べると、変貌は大きい。
「ベサメ・ムーチョ」など、有名なタンパ盤とは別の曲のようだ。それでも、自ずと染み出してくるような歌と音色は感動的だ。
ネコパパは、ペッパーの晩年のものをほとんど聞いていなかった。それだけに、新鮮。

Dukeさん。
PaPaさんに依頼の盤は、店で掛けるとすぐに売り切れ、という一枚。
ジョニー・ホッジス『クリーミー』(ノーグラン)。
片面を占めるバラード・メドレー、その最後に千両役者よろしく登場する、ホッジスのアルトサックス。
音の揺らし方、弱音、俊敏な語り口。ドルフィーとスタイルはまるで違うが、モーツァルトのような、溢れ出る天性の音楽に、身も心も、押し流されてしまう。

By Yositaka

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  • 2012年02月23日(木)19時07分

春杜のついでに

春日屋旅館は近鉄藤井寺駅から歩いて2分ほどのところにあります。
数年前、杜が終わって旅館に着いたけどちょっと一杯飲みたくなたんですね。
で、マントさんを誘って近いところに居酒屋でもないかなと探したらありました。
旅館のすぐ近くの裏通りに「居酒屋201」。

マスターと奥さんでやっている店で、食べ物が凄く美味しかった記憶があります。
特に丹波産大粒の枝豆、ニンニクを使わない餃子が印象に残りました。

翌年、また杜が終わって今度は一人で暖簾をくぐるとマスターが「福岡でレコードやっている方ですね」とおっしゃいました。
いや一年前にちょっと寄っただけの客をマスターは覚えていたんです。
感激!
それから話が弾んで・・・。

昨年の白馬行きは、藤井寺に一泊してYoさんの車に同乗させてもらうことに。
白馬前日の夜はYoさん、Bowieさんと一緒に居酒屋201へ。

今年の春杜も多分・・・ではなくて当然のように居酒屋201に寄ることになりそうです。

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  • 2012年02月16日(木)13時19分

2012 関西春の杜のお誘い

昨年東北大震災の杜の会自粛で今年は関西の杜を「春の杜」と言う頃で仰せつかりました。
5月の連休の前が良いか後が良いかにつきましては皆さんのご都合もあるかと思いますが私の独断と都合でこの日にさせて頂く事にしました。つきましてはまだまだ先のことですが早めに報告してスケジュール調整をして頂ければと思います。皆さんのご参加を楽しみにしております。

期日:4月28日 土曜日
場所:大阪府藤井寺市 Yo宅

スケジュール
4月28日
1:00pm 秋の杜開始
(午前からの到着は歓迎です。自由にレコードタイム)
Yo:スケジュール等説明
Duke:挨拶

1:15pm トークタイム1名 (Bowieさん:予定)

2:00pm ワントークコーナー(全員)
基本一曲(聴き比べでも結構です)でこだわりのトークを全員で行うコーナーを設けます。(一人10分以内)

3:00pm ティータイム
ワントークコーナー途中でも休憩を入れます。

4:00pm レコード聴きまくりタイム
~6:30pm

7:00pm 宴会(梅廼家:Yo宅から徒歩8分、車3分)

8:30pm 終了 宴会終了後レコードタイムOK!


宿泊
天王寺都ホテル 予価:シングル¥12000
(Yo宅まで電車で20分)

春日屋旅館 予価:シングル¥5000
(Yo宅まで電車10分、車6分、安宿ですが昨年「悪くない」との事です。近くに居酒屋201があります)

By Yo

アップロードファイル 38-1.jpgアップロードファイル 38-2.jpg

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  • 2011年09月15日(木)08時32分

針飛びの修復

同じところを何回もトレースする場合は音溝に異物が付着している場合が多いのでこれを取り除けばいいのだが、やり方によっては疵付くこともあるので疵付けないようにすることが肝心である。

中には一部分だけ擦ったあとや針疵(ヘアラインとかレコード針により疵とは異なるもの)が集中的にあるものも。これは針飛びを修復しようとして針とか爪楊枝などを使った結果ではないだろうか。

1 ルーペで針飛び箇所(異物の付着箇所)を探す。
2 Last SF1 Power Cleanerを付属ブラシの先端に一滴付けて、異物の付着部分を軽くなぞる。
3 トレイシーでLastを拭き取る。
これでOKの場合もあるし、一度では取れない場合もあるので擦らない程度に数回なぞるとたいていの異物は取れる。
4 レコードをかけてみる。

100%治るということではなく、治る場合が多いと理解してください。
Vinyl Cleaning Waterでクリーニングした場合に針飛びが治ったこともあります。

針がジャンプする場合は疵による場合が多いがこれは修復が難しい。この場合でも異物の付着というケースがあるので上記をやったら治ったこともあります。

私の場合はレコードを疵付けたくないので、裁縫針、爪楊枝等は使わないし、ゴシゴシ擦る(擦った部分が変色する)ということはやりません。また、ご自分で上記のやり方を試される場合、慣れということもありますしやり方の勘違いなどありますので、あくまでも自己責任でお願いします。

Last SF1 Power Cleaner、Vinyl Cleaning Water
<https://www.ninonyno.ne.jp/accessories/#aaa>

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  • 2011年09月14日(水)08時55分

レコードの針飛び

レコードを買ってかけてみたら針飛び・・・これほどがっかりすることはないだろう。
レコード店に文句を言って返品。
ところがお店によっては返品を嫌うお店もある。
実際、お客様とお店との間でトラブルになったという話を何度も聞いたことがあるが・・・。

「レコードの全面を聴く時間はないので針飛びを見逃すことは仕方がありません」(お店から言わせてもらえば)
問題はそのあとの対応をどうするかである。
当店では基本的に返品を受け付けているが、お客様の要望があれば針飛びを治すこともあります。

レコードに問題がある場合の針飛びには2種類
・音溝にゴミが詰まっている(異物が付着している)・・・この場合同じところを回ることが多いしたまには針がジャンプすることもある
・音溝が切れて(壊れている)・・・針がジャンプする

プレーヤーに問題がある場合
・プレーヤーの水平が取れていない・・・同じところを回ることがある
・インサイドフォースキャンセラーのかけすぎ・・・同じところを回ることがある
・オーバーハングが正確でない・・・最後の曲に針飛びがある

実際にあった話・・・
お客様から「頂いたレコードが針飛びをするんですが、このレコードはなかなか手に入らないので修理が出来るならやっていただけませんか?」
送っていただいてかけてみるとお客様が指摘する曲は前に進まない。
針飛びする部分をルーペで見ると明らかに異物が付着している。
異物を取り除いてかけてみると針飛びは解消していた。
再びお客様に送ったら「まだ治っていません」
「水平バランスをとりなおしてみてください」
暫くして「水平バランスをとりなおしたらバッチリ治りました」

100%治るわけではないが治す方法がありますので次は「レコードに優しい針飛びの治し方」を書きます。

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