店主のひとりごと

 

  • 2014年03月19日(水)09時57分

音の聴き方

最近ご来店いただいたお客様
「再びアナログを聴きだしましたが、オリジナル盤というものを知らないので聴かせてください。全部の楽器の音がはっきり聴こえるものが好きです。」
とおっしゃる。
別のお客様がいらしたとき、80年代のジャズをかけたら
「全部の楽器がはっきり聴こえすぎるのはどうも」
次に50年代のヴォーカルをかけたら
「これですよ。深い奥行きがあってヴォーカルが前に出てくる。」
全く相反する反応があった。
オリジナル盤を聴くのであれば後者の聴き方のほうがベターだろう、私も後者の聴き方だ。

音の聴き方は千差万別、一人ひとり違うから面白い。当然、うちでオリジナル盤を聴いて
「こんな音は初めて聴きました」から全く反応なしまである。
それに、リスニングポイントの座り方もど真ん中に座る方とソファーの隅っこのほうに座る方がある。オーディオ歴が長いとおっしゃる方に隅っこのほうが多い。マーチンローガンは可聴ポイントが狭いので、ど真ん中に座ってあとは聴きながら若干位置をずらすのがベターだけど。

とあるオーディオ店でのイベントに参加していた時、お客さんがお店の方に相談されていた。どうもハムが出るので困っているらしい。で、お店のお方が症状を聞いていると、どうやらアンプとCDプレーヤーを重ねて置いているらしいということみたいだった。
そこに口を挟むわけにはいかないのでお客さんが帰ったあとお店の方に「アンプとかCDプレーヤーは重ねて置くべきではないですよね。ハムが出るのは当然でしょう。」といったところ「以前そんな風に言ったら「オーディオ誌には重ねて置いてあるので、問題はほかにある」と言われたことがありました。」だそうである。オーディオ誌はまとめて写真をとる必要があるので重ねているだけでそんな置き方を推奨しているわけではないのだけど。

私もハムにはかなり苦労しているのでお客様の気持ちはよくわかるけど、雑誌を鵜呑みにはしないほうがいいのでは。


音の陰影が見事に出る”Anita O’Day / Anita”

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  • 2014年02月03日(月)11時02分

ひきこ杜さんの提案

先週土曜日、久しぶりにひきこ杜さんがいらした。
いろんなレコードをかけていきながら話がはずむ。
Duke:「花見に来てだいぶまともな音になりました。でも、今の音はオーディオ的にはある程度のレベルになっているんですけど、もう少し上のレベルが欲しいですね。例えば、P.P.M.の「ピーター・ポール・アンド・マリー」に入っている、「悲惨な戦争」を聴いたら涙が出るとか、「カジノ・ロイヤル」に入っているダスティ・スプリングフィールドの「ルック・オブ・ラブ」を聴いたら背筋がゾクゾクするとか、マリリン・モンローの「帰らざる河」を聴いたら○○が××になるとか。」

ちょうどそのときベニー・ゴルソン/グルーヴィン・ウィズ・ゴルソンをかけていた。
ひきこ杜:「このベニー・ゴルソンは素晴らしいです。」
Duke:「ゴルソンとカーティス・フラーのゴルソン・ハーモニーも素晴らしくて、ベニー・ゴルソンはソロの時にテナーサックス1本でハーモニーを作っているんではないですかね」
ひきこ杜:「そんな感じですね」。

何故か話がとぶ。
Duke:「TAS Super DiscがこれぞTASという鳴り方をしてくれれば嬉しいんですけど。」
ひきこ杜:「タス・スーパーディスクより、タツ・スーパーディスクを作ってみたらどうですか。」
ん、何のこと?
ひきこ杜:「Dukeさんが聴いて○○が××になったら、タツ・スーパーディスクにしたらいいんじゃないですか。」
タツ・・・立つ・・・起つ
あ、そういうことか、これはいいかもしれない。

そういえば、そんなレコードはこれまでかなり聴いている。マリリン・モンローやダスティ・スプリングフィールドのほかにも、ドリス・デイ/アイ・ハブ・ドリームド(CS 8460)、センチメンタル・ジャーニー(CS 9160)、ジュリー・ロンドン/ジュリー(LST 7004)、アビー・レーン/ビー・マイン・トゥナイト(LSP 1554)などなど。別に女性ヴォーカルでなくてもアール・ハインズ/ファーザ、ザ・ニュー・アール・ハインズ・トリオ(CL 2320)やサイモン&ガーファンクル/パセリ・セージ・ローズマリー・アンド・タイム(CS 9363)なんかもそんなレベルだ。ジョニー・ホッジス/クリーミー(MGN 1045)はインスト演奏だけどこれも入る。
ただどんな表現がいいかが問題。単純にTATSU Super Discでいいものだろうか?TASと間違えられても困る。これは真剣に考えなくっちゃ。

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  • 2014年01月03日(金)10時33分

USSYさん宅訪問

USSYさん宅訪問

12月27日、匠と一緒に東区美和台にあるUSSYさん宅を訪問した。美和台は以前いた桜山手に近く、高台の閑静な住宅地である。

USSYさんは昨年初めて見えたお客様で私と同じ熊本出身、実家も私の実家に近いところにあるとのこと。それにジャズに足を踏み入れたきっかけはマスちゃん(数年前亡くなった阿佐ヶ谷スターダストの順子ママ)が熊本でやっていたジャズ喫茶Jazz Landということで、私にとっても親近感がわく方である。

何度かいらして話しているときに「アナログ・プレーヤーの調子がよくないので困っている」とのことだった。「匠(熊本市の佐藤俊哉さん)という技術の優れた人がうちの仕事をやってくれていますので、彼が来るときにプレーヤーを持ってきて見てもらったらいいですよ」といって、暫くしてUSSYさんのプレーヤー(テク二クスSP-15、トーンアーム FR-64S)持ってきてもらい匠に修理してもらった。
その後「スピーカーはONKYOのブックシェルフ型から箱がダメになったのでスコーカーとツィーターを流用しダイアトーンのウーハーと組み合わせ大工さんに頼んで作ってもらった自作の箱で使っているがどうもおかしい」との相談があり、「ネットワークがおかしいのでは?」と思いこれも匠にネットワークの見直しをやってもらったところ、「回路が間違っています」と回路をまともに組みなおしてもらった。

そんなやりとりがあったが、まだこの時点では実際にはUSSYさん宅でどんな音で鳴っているのかは分かっていなかった。ただ「今出ている音に満足していない」とのことだったので、「次に匠がうちに来るときUSSYさん宅に行ってみましょう」ということになっていたのだ。

USSYさんの部屋は2階にあり、10畳くらいの書斎がリビングルームになっている。床はフローリングだ。まず音チェックということで聴いてみると、音が痩せている、低域が出ていなくて高域が強い。いわゆるスピーカーから音が出ていますという感じだ。スピーカーの存在が無くなるというのが理想だがここでは無理かな?でも帯域のつながりは想像していたほど悪くはない。

匠が最初にやったことはスピーカーの土台の木のラック(組み合わせるとスピーカーと一体に見えるが分離している)の前向きだった開口部を後ろ向きにした。そしてスピーカーの位置を微調整、左右の間隔を少し狭めた。ちょっと良くなったかな。一連の作業で、スピーカーの上に丸めてあった布(なぜここに布が?)をスピーカーの内側側面に垂らすようにかける。これはスピーカー側面の反射を緩和する効果があって、高域のきつい部分が少しほぐれた。

次はアナログ・プレーヤーの調整。事前に匠がオーバーホールをやっていてその時に調整していたのだが、現地ではもう一度調整しなおす必要がある。ウェイトバランス、オーバーハング、インサイドフォース、針圧それのアームの高さなどを、音を聴きながら慎重に調整していく。これはとても重要なことである。

余談だが、一般的に(メーカーの解説書にも)「トーンアームの高さは針を降ろした状態で盤面と水平に」とあるが、これで終わりではなく「盤面と水平に」はスタートであり、それから音を聴きながら1/10mm単位で微調整していきベストポジションを探すべきである。インサイドフォースキャンセラーのかけ方、オーバーハングの調整なども一般的に言われていることよりももっと細かく調整すべきである。

次がスピーカーケーブルの処理。市販の端末処理をしていない(Yラグやバナナを使用していない)ものだったので、ケーブルの接続部分を剥きなおしてはんだごてでまとめ、プラグを締めなおすとかなり豊かな音が出てきた。
この時点で、最初の高域よりの音がかなり改善され、ふくよかさが増してきた。それまでスピーカーの内側で鳴っていた音がスピーカーの外まで拡がりを見せたのだ。

匠がスピーカーの後ろにある本棚を整理し始めた・・・ではなくて、本を互い違いに配列したのだ。これは見事な効果、空気感が漂い始めた。スピーカー後ろの処理がこれほど効果的だったのはあまり記憶にない。たまたまそこに本棚があったことが幸いしたということである。
ただずっと気になっていたのは、音像がスピーカーの高さまでしかないこと。ヴォーカルが歌っている様子がイマイチなのだ。「これで等身大の音像が出てくればベストだけど自作の箱ではこれまでかな?」。

最後にプレーヤーの足の部分。プレーヤーはラックの一番上で、足の部分はゴムのシートを2枚重ねてさらに瀬戸物のタイルを乗せたものの上に乗っていた。このうち2枚のゴムシートを外し、タイル一枚の上にプレーヤーを乗せることにした。つまり、ふらふらした状態だったものをリジッドにしたわけだ。この時の変化は尋常ではなかった・・・凄い!
”Joni Mitchell / Wild Things Run Fast”のイントロでのベースが豊かに鳴りだして、ジョニ・ミッチェルが等身大のサイズで歌いだした。低音の出にくいスピーカーでもやり方のよってはふくよかな低音が可能だ。
これによって「この部分はちょっと」と思っていたところが殆ど解消されて、システムを触る前とは別次元の音が出てきた。

「私のシステムはたいしたことないので」という話はよく聞くが、自作に近いスピーカーでこのレベルの音が出るとは、正直なところ驚き。価格の高い安いにかかわらずセッティング(考え方)次第では相当ハイレベルな音も可能ということだ。空気感に関しては我が家よりも上では?私もスピーカーの背面処理を考えなくては。

最後に出た音はUSSYさんの人柄が出たような、優しいけどダイナミックそして豊かな。
「これで終わりです」というと、USSYさんのニコニコ顔が印象的だった。

システムのラインアップ
カートリッジ:ortofon SPU、Grado mono
プレーヤー:テク二クスSP-15
トーンアーム:FR-64S
プリアンプ:ハフラー
パワーアンプ:サンバレーSV-2
スピーカー:オンキョー、ダイアトーンのユニットを自作の箱で組み合わせ

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  • 2013年11月02日(土)09時24分

Julie London / Julie Is Her Name、スタイルの変遷1

Julie London / Julie Is Her Name (Liberty LRP 3006)は1955年に発売されてシングル大ヒットとなった”Cry Me a River”を含んだ1956年発売のアルバムであり、当時としては非常に希なアルバム・ミリオンセラーとなったもの。ジャケットやラベルのスタイルが何種類もあり、その組み合わせも様々なので紹介してみる。

Pattern 1
ラベルに溝はなく色はターコイズ、ジャケットには「Cry Me a River」はA面の1曲目となっているが初期の盤には同曲がB面に入っている。そしてジャケットの裏、上から1/3部分にラインがありこのラインは1mmの幅になっている。また、左部分にビル・バランスの写真があり写真の横に彼のサインが入っているが、このサインも2パターンある。
「Cry Me a River」はB面, 裏ジャケ上から1/3部分のラインは1mm, ビル・バランスのサインは右。

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  • 2013年11月02日(土)09時22分

Julie London / Julie Is Her Name、スタイルの変遷2

Pattern2
ラベルに溝はなく色はターコイズ、「Cry Me a River」はB面, 裏ジャケ上から1/3部分のラインは1mm, ビル・バランスのサインは左。
Pattern1とPattern2では、ほぼ同時期ないしはPattern1が早いかもしれない。

アップロードファイル 96-1.jpgアップロードファイル 96-2.jpgアップロードファイル 96-3.jpg

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