元旦の朝、2階に上がって窓の外を見たら立花山に初日の出が上がる瞬間を見ることが出来た。正月から縁起がいい。
2日、今年初めての音出しはWillie Nelson/Stardust。
その日の調子を見るためにいつも最初はこのレコードをかけるのだが、ちょっとチープな音が出てきた。
ん、年末に掃除をした時変えたのは・・・スピーカー後ろのテーブルタップを壁から吊っていたのを壁にさしているピンが弱いので外してタップを床置きにしたのが悪かったのかな?と思って再び壁吊りにしようとピンをさしてみたが、壁が固くて安定して吊ることが出来ない。ヒートンをねじ込めば安定した吊り方は出来るけど、壁に傷はつけたくないので下に柔らかいラバーを敷いてタップを床置きにしたらだいぶまともな音になってきた。
床面の振動は機器に影響を与えることが多いが、テーブルタップやコード類にも同じように影響を与える。特にテーブルタップは置き方や種類によって音はかなり変化する。というか、上手い具合にやったときはよりよいほうに激変することがある。
今年もよろしくお願いいたします。
Harry Belafonte / Sings the Blues
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午前中、午後、夜そして夜中に聞くレコードは。
朝はスッキリした気分で聴きたいので軽めのやつがいい。
ピアノトリオ、ギターカルテット・・・ピアノとベースのデュオもいい。
午後は少し元気が出るので・・・何にしよう?
ビッグバンドがお好み。
エリントン、ベイシーはたまたハリー・ジェイムスとか。
夜になって一杯飲んだ後は、こってりとしたジャズ。
コルトレーン、ドナルドバードなどなど、ブルーノートやインパルスかな。
で、12時過ぎて世間が静かになったらもちろん別嬪さんヴォーカル。
以前はジュリー様だったけど、最近はドリス・デイ、ダイナ・ショアあたりがお気に入りになってきた。
話は変わるけど、別嬪さんと二人になったときかけるレコードは?
下心がある人のみにお勧めだけど、別嬪さんをその気にさせるのはやっぱりテナーサックスのスススがいいかな。
ベン・ウェブスター、デクスター・ゴードンとか。
でも、二人とも男らし過ぎて彼女の気持ちがテナーサックスに行ってしまったらちょっと困る。
あ、あれがあった、Duke Ellington / Concert in the Virgin Islandsに入っている”Chelsea Bridge”。ポール・ゴンザルヴェスのテナーサックスがソフトに誘ってくれます。
そのあとお二人がいい関係になった時にかけるレコード。
George Winston / Autumn、これで決まり(実証済)。
朝になったら、ピンキー&キラーズ / 恋の季節。
「夜明けのコーヒー 二人で飲もうよ」・・・ちょっと違う。
朝はやっぱりModern Jazz Quartet / Concordeの“Softly as in a Morning Sunrise”だよね。
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スピーカーの仰角
窓に西陽があたる部屋は
いつもあなたの 匂いがするわ
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壁の傷も 残したまま おいてゆくわ
甘くほろ苦い青春の思い出・・・ほとんど同じシチュエーションがあったのよね。
話は変わるけど、オーディオフェアとかオーディオ店のイベントで聴く音はひどすぎる。
なんで・・・それぞれのブースがオーディオを聴く環境にない。響きがありすぎてメーカーさんや輸入代理店さんのいい音で聴かせようという意気込みがハッタリの音になりがちだ。
名古屋、ノムラ無線さんで先週、やっぱり皆さんハッタリの音を出していた。ただその中でSonus Faber Elipsaを聴いてしまった。簡単に置いてある、とても緻密にセッティングしてあるとは思えない。でも、私の欲しい情報は十分出しているのだ。臨場感、背の高さ情報、スピーカーにまつわりつかない音、ナチュラルな帯域バランス・・・・すげえ・・・!
Sonus Faberというメーカーはイタリアのヴァイオリンとか作っている地方の産だと聞いているが・・・これだったらジャズでもクラシックでも十分ではないかな。作った人の感性が普通ではないのが良く分かる。
Sonus Faberで気付いたことが。
スピーカーに仰角が付いているのだ。
そういえば似たようなオーディオ店のイベントでの出来事を思い出した。
一日目が終わって懇親会の席、ある輸入代理店の社長に「お宅のスピーカーはトールボーイだけど仰角を付けたらもっといい音になります」といったことがあった。
翌日「新納さんやってみましたから聴いてください」とおっしゃるので行ってみたら、なんと前傾の仰角が付けてあった。「これは逆です、上部を引っ込めて下が前です」。
半年後、その輸入代理店のスピーカーが凄く良く鳴っていた。「いいじゃないですか」と言ったら社長さんが「勉強しました」とおっしゃっていた。
大型のフロア型スピーカーには向かないかもしれないが、殆どのスピーカーは仰角を付けることによって帯域バランスがより好ましい方向へ。
疑問に思う方は一度試してみて。
あ、角度によって表現は変わるから慎重に。
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なぜ泣くの まつ毛がぬれてる
女(うそ泣きだよ)
好きになったの もっと抱いて
女(思わせぶりに男は弱い)
泣かずに踊ろよ もう夜もおそい
ワタシガ好きだと 好きだといって
女(いわせなくちゃ)
フロアは青く ほの暗い
とっとも素敵な
東京ナイトクラブ
(昭和の歌謡曲は偉い!)
スピーカーの置き方によって音は千変万化する。
一般的には、広い部屋で間隔を広く取って雄大に鳴らすタイプが多い。
ちょっと違うかな~。
間隔が広すぎると音は左右スピーカーの内側に定位してこじんまりしてしまう。
狭すぎるとミニチュアの音場が出来る。
部屋と自分のリスニングポイントに合わせて間隔は決めるべきである。
壁から離したほうがいいのかそれとも壁にくっつけたほうが?
以前オーディオ誌で「壁にくっつけたら低音が豊かになる」といった話はたくさん見かけている。
壁にくっつけたら奥行きが出なくて音場がスピーカーの前方のみに展開される。くっつけている貴方、30cmでも50cmでもいいから離してみてください。スピーカーの前後に音場が展開されるから。
スピーカーは内振りがいいの、それとも平行が?
私は平行ないしは若干の内振りをお勧めする。
オーディオ店に行っても雑誌の写真を見ても、内振りが当然見たいにセッティングしてある場合が殆ど。20度、30度ないしは45度、内振りにするほど直接音が多く聴こえて、平行ないしは若干の内振り(せめて数度)であれば直接音と間接音(壁に当たって反射する音)が上手い具合にミックスしてくれる。結果として雄大な音場が現れる。
当然聴きながらやるわけだけど、極端な内振りは好ましいとは思わない。
松尾和子 / 夜のハスキー
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嵐も吹けば~
雨も降る~
女の道よ、なぜ悲し~
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ここに幸あり、青い空
苦労話を書いてきたけど、基本的な私の考え方は書いていなかった。
初めていらしたお客さんから「どうやったらこんな音になるんですか?」といった質問があることが多い。そんな時は「例えば誰かに「うちの音をもっと良くするためにはどうしたら?」といった質問をした場合、殆どの方が「アンプをグレードアップしたほうがいい」「スピーカーを何々にしたほうがいい」「ケーブルを何々に」とか答えると思います。でもその前にスピーカーの置き方、アナログプレーヤーの調整を考えたほうがいいですよ」と答えている(別に自分とこの音を自慢しているわけではないし、我が家はまだまだ発展途上)。
基本的に考えているのはまず音の聴き方。
「音は聴くものではなく見るもの」
私の根本はここからスタートしている。
目の前にミュージシャンが表れて演奏している様子が分かったら大成功、そのあとにミュージシャンの感情などが分かるようになるレベルがある。結果として、背筋がゾクゾクする、鳥肌が立つ、涙が出る・・・別嬪さんヴォーカルが歌ったら○○が△△にとか。。
あ、昔振られた別嬪さんを思い出すことも。
必要なオーディオの表現として、深い奥行き、左右のスピーカーより広い音場、スピーカーより前に出てくる音、背の高さ情報それにナチュラルな帯域バランスなどがある。そのへんを表現できるようになるとスピーカーの存在が消えてミュージシャンの姿形が分かるようになるのだ。
今回は私の目指している音の説明にしたが、次回はもちょっと先の話。
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