店主のひとりごと

 

  • 2013年10月14日(月)13時43分

秋の杜9 写真集

左:冒頭の一曲は青江三奈
右:チャラン・ポワンサンがトークで出したイタリアン・シンガー、Val Valenti
下:挨拶するDuke

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  • 2013年10月12日(土)08時48分

秋の杜9、第一章

「山を歩く男がいる」

yositakaがレポートします。走り書きメモが頼りなので、間違いがあるかもしれません。ご容赦を…

彼は、道なき道を、生い茂る雑草をかきわけながら、汗を拭き吹き進んでいく。辿るべき道は見えている。かつて貨車をつないだ鉄道の通った軌道だ。今は廃線になっている。
切れてはつながる錆び付いたレール、朽ちて草茫々になりながら、なお形をとどめている枕木を辿って歩く。埋もれたトンネル、がけ崩れで何度も切断され、ここまでかと思いきや、まだ続く…
「線路の両側の崖が崩れていて、脇を流れる河をボートで渡るしか行く手がない所もあったんですよ。さすがにそれは出来なかったけれど…」
語るのは、音盤愛好家であり、鉄道愛好家でもある、ワガママおやじさん。
「そりゃすごい…それはまるで、人のいない孤島を走る鉄道みたいですね」と、ネコパパ。
長野県白馬山麓、雪化粧の山々の麓にあるペンション「洗濯船」での会話である。

10月5日。
ここで開催される「秋の杜」は、音盤愛好家たちのささやかな集会。
年一度のペースで続けられ、今回で9回目を数えるという。先回初孫誕生のため参加を見送ったネコパパ、期待の初参加である。
午後2時を少し過ぎ、konkenさん運転する車で到着したのは、岡崎konkenさん、神戸Musashi no Papaさん、豊橋recooyajiさん、そして愛知豊明ネコパパ。
車のトランクから、会で披露する自信の音盤を慎重に取り出す。
味のある外階段を登ってリビングに入ると、名古屋チャラン・ポワンさん、長野ワガママおやじさん、群馬Roxanさん、主催者Dukeさんとオーナーの洗濯船Mさんがすでに歓談中である。山麓の宿は涼しいと聞いていたけれど、予報の雨もなく、汗ばむくらいの気温だ。

今回の参加者は9人。
会の世話役である諏訪のSPUさんが、体調を崩され、不参加とDukeさんが伝える。
古参のメンバーで、会の盛り上げ役が、今回3人欠席と聞き、皆の表情が曇る。
「居るとうるさいけど、居ないと寂しい」…この言葉、何度口にされたことか。

一息のあと、地下のオーディオルームに揃って降りる。洗濯船Mさんの誇る重量級再生システムが、メンバーを迎える。さあ開始だ。
DukeさんとMさんの挨拶に続いて、まずはMさんからの一枚。
PASSION MINA IN N.Y.1995より「伊勢佐木町ブルース」青江三奈。
NYのジャズメン達をバックに唄う青江美奈、最晩年にライヴ録音された完成度の高い「ジャズ・ヴォーカル盤」である。

続いて今回のメインリポーター、チャラン・ポワンさんが登場。持ち時間は1時間だ。
まずは、ダヴィド・オイストラフ『中国ライヴ1957』中国製の最新LP。
デジタルマスタリングが効き、滑らかな音質でソ連のヴァイオリン王の演奏が楽しめる。曲はルクレールのソナタニ長調。
続いて杜の会のオールドメンバー、メリケンさん愛聴の一枚、アート・ブレイキー『バードランドの夜』ブルーノート10吋盤。クリフォード・ブラウンのトランペットが煌く「ナウズ・ザ・タイム」。

洗濯船の装置の音はストレート。解像度に優れ、しかも、刺激的な感じがない。
「うーん、今日は音がいいね」とDukeさん。
「今回は普通の音に調整したんですよ」とMさん。
「洗濯船」の装置はすべてオーナー洗濯船Mさんが操作する。杜のメンバーといえども、コントロール室は立入禁止。それは、見たい、触りたい…というマニア気質を見抜いた上で「音そのものに集中しなさいよ」という思いを込めた「掟」だ。

アルゼンチン・タンゴを歌う女性歌手『ロジータ』。これは大戦中の盤で、歌うというより掻き口説くような色香を感じる声。金属板を反射させたようなエコー効果も面白い。
続いてイタリアのテナー、ヴァル・ヴァレンティン『イタリアン・ストリート・シンガー』から、レオンカヴァルロの歌劇「道化師」のアリア「衣装を着けろ」。米オーディオ・フィデリティ盤。悲痛なアリアを、街角の流しの歌手よろしく、曲想を変え明るく歌う。
そして締めは、再び青江三奈。
Mさんといい、彼女の歌が琴線に触れる世代なのだろう。

チャランさんの後は、一人一曲で回していく。
まずMusashi no Papa さん。歌って吹く女流アルトサックス、ヴァイ・レッド『バード・コール』米UA。ジャケットの印象と、歌詞のない「ナウ・ザ・タイム」を無理矢理歌っている面白さ、との紹介から、濃厚妖艶な演奏を予感したが、実際は、すっきりと端正なウエストコーストの響き。
次はRoxanさん。プログレッシヴ・ロック『AREA』。
女性の朗読に始まり、コーラス、そしてバンド演奏になだれ込む。加速、炸裂…。「大音量で」という指示だったので、これは来るな、と覚悟したが、抵抗なく聞けてしまう。そういう音楽なのか。それとも機器にかけられた魔法なのか。
ネコパパの番。コンスタンティン・シルヴェストリ指揮フランス国立放送管弦楽団「新世界から」米Angelモノ盤フィナーレを掛けていただく。
次はワガママさん。アレサ・フランクリン『明日に架ける橋』…S&G原曲の片鱗もとどめぬ土俗的なバラードに変貌している。
Recooyajiさん、森山加代子。東芝シングル赤盤で「パイのパイのパイ」。カボチャがメロンに憧れて歌う歌詞が、とても可愛くナンセンス。でも見事な歌唱。ヘンリー・クレイ・ワーク作曲「ジョージア・マーチ」のカヴァーで、チャールズ・アイヴズが交響曲『ニューイングランドの祝日』でも引用。アメリカの心の歌でもある。
前半最後はKonkenさん。秋吉敏子、ルー・タバキン『孤軍』1974年。秋吉自身、最高傑作と呼ぶ一枚で、日本人として一人ジャズに立ち向かう姿を孤島の兵士になぞらえたもの。真摯な響きに耳を傾けているうちに、第1部は終了…

「ネコパパさんの持ってきた『新世界から』は、よかったね。クラシックの演奏の違いという意味がはじめてわかった気がした。確かにリキさん推薦のケルテス盤とは、全然違うよ」
夕食の席でのkonkenさんの言葉に気をよくしたネコパパ、recooyajiさん、Dukeさんら「飲む」人のグループでつい口が軽くなる…
そんな中でワガママおやじさんが語ったのが、冒頭に書いた「廃線を歩く男」の話だ。
これが、多くの興味深い話の中で、ネコパパの頭に妙に残る。レコードの話でもなく、オーディオの話でもないのだが、はて…なぜだろう。

左上:クラシックを熱く語るチャラン・ポワンさん
右上:洗濯船Mさん
下;2年ぶりのRoxanさん

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  • 2013年10月12日(土)08時43分

秋の杜9、第ニ章

「夕食のあとは恒例のオークション」

リビングに設置されたもうひとつのシステムが不調のため、再び地階へ。
盛り上がらないというオークション。それは、開始価格で即決が多いから。競り合ったのは「ゲッツ・ハンプトン」のEP盤くらい。「お大尽」チャランさんのレコード箱には盤がどんどん入っていく。
ネコパパは、2枚入手…

Mさんの『日本むかしばなし』で、夜の部が始まる。
チャランさん、独エテルナ盤でユーディー・メニューインのソロ、ルドルフ・ケンペ指揮ベルリン・フィルの演奏で、ブラームス『ヴァイオリン協奏曲ニ長調』3楽章。
ドレスデン生まれのケンペ繋がりで、ネコパパもエテルナ(アミガ)盤を。スウィトナー指揮ドレスデン・シュターツカペレ、ヨゼフ・シュトラウス作曲『鍛冶屋のポルカ』
続くRoxanさんは、雰囲気を変えて、中島みゆき『予感』次はMさんで南佳孝。
Musashi no Papa さん、メアリー・オズボーン『モンテカルロ・ライヴ』1977年ハルシオン盤。先に登場したヴァイ・レッドも参加して、女性6人の端正な演奏。
ブルーノートなら4200番台というワガママおやじさん、ヤング・ホルト・トリオ『ワックワック』米ブランズウィック盤。年代を感じさせない、爽快なジャズだ。
「じゃ、ソウルでいこう」とMusashi no Papaさん、J・R・ウォーカー『ソール・ダール』聴いてみると、クロスオーバー・サウンドのような、軽い空気感のある音楽だ。
「つぎはロック」とkonkenさん『キャプテン・ビヨンド』から「ダンシング・メドレー」
「カントリーもいいよ」とRoxanさん、シャーリー・コリンズ『アルビオン・カントリー・バンド』…つぎつぎに掛かっていく。

Musashi no Papaさんがキャンディド盤『トシコ・マリアーノ』を出して雰囲気が変わる。秋吉敏子はスタイリッシュだが、この盤には熟した現在の彼女とは違う、切っ先の鋭さが感じられる。そのマリアーノ繋がりでMさんが出した緑のジャケット…ベツレヘム盤10吋『マリアーノ』だ。
ネコパパ、これはbassclef君宅で聴かせてもらって、ジャケットデザインも含めて気に入り、復刻LP入手…でも当夜の「スリー・リトル・ワーズ」の迫力は、まるで別物。
「マリアーノのサックスは細身の良さだね」とMusashi no Papaさん。
確かにすっと伸びるようなフレージングは魅力だけれど、この盤には特別な気迫があるように思う。
続く『ハル・オーバートン』米シグナル盤も。サックス練習用マイナスワンとして作られた教材盤らしいが、ここに刻まれた白い閃光のようなフィル・ウッズのサックス…アマチュア用模範演奏のレベルを遥かに超えている。

「シグナルもそうだけど、当時は数枚でつぶれたジャズ・レーベルも多かったんですね」とDukeさん。プレス枚数も少なく、貴重盤になる。そこに愛好家の食指が動く…

ジャロも、そんなレーベルのひとつだ。
Mさん秘蔵『J・R・モントローズ』(米ジャロ)から「ネクスト」。
モントローズのテナーにトミー・フラナガン(p)、ジミー・ギャリソン(bs)、ピート・ラロカ(ds)。50年代後半の録音で、メンバーから予想される渋いジャズとは大違いの、火花の散る熱演。後半、声を上げて全員をプッシュしていくラロカのドラムスの壮絶さに圧倒される。

Roxanさん、ブルーノートの有名盤「ロリンズvol2」にそっくりのジャケット、ジョー・ジャクソン『ヴァーディクト』…でも内容は全然違っていた。Musashi no Papaさん、ガトー・バルビエリ『哀愁のヨーロッパ』に続いて、ジミー・ニーリー・トリオ『Misirlou』から「君にこそ心ときめく」米TRU。粘り気がある泥臭いピアノの奏でる名旋律。そこにトライアングルが絡む不思議。
次にネコパパ。クリス・コナー『緑にそよぐ風』米アトランティック盤より『バッド・ノット・フォー・ミー』これはDukeさんに薦められて買ったもので、架蔵中の最高額盤…
ここで、昼間から話題に出ていたファン垂涎の一枚を、Musashi no Papaさんがついに出す。
ハーブ・ゲラーの奥様による唯一のリーダー盤『ロレイン・ゲラー』米Dot盤。続くはシュープリームス『メリー・クリスマス』…クリスマスソングを混ぜ合わせた楽しい趣向。でも、ちょっと季節としては早いかな。Roxanさん、続けて『フーターズ』米CBS盤をかける。轟音!

ここでジャズに戻り、Musashi no Papaさん、マリオン・ブラウンとマル・ウォルドロン『マッチ・モア』前衛と思っていたマリオンのアルトサックスが、マルのピアノに感化されたのか、情感にあふれたソロを展開している。
ブルーグラスが一枚掛かり、ネコパパのクルト・レーデル指揮プロ・アルテ管弦楽団による「ハイドンのセレナード」(作曲はホフマイスター)が流れるころには、リスニングルームには人の気配がなくなって、残るはネコパパとRoxanさん。
洗濯船Mさん、クラシック繋がりでラベック姉妹の英EMI盤、スコット・ジョプリンの『エンターテイナー』をプレゼント。カントリー風の曲想に、二人の絢爛たるピアノが意外に似合う。
そしていよいよお待ちかね…という感じでMさんが取り出したのはフリージャズ『グランプ』独ヴェルゴ盤。ドイツの大倉庫で行われたライヴとのことで、緩急自在の即興演奏が続く。無機的な破裂音に沈黙と叙情が交差する響きは、ジャズというより現代音楽だ。
一度レコードを抱えて戻ってきたMusashi no Papaさんは1分で退散…そして会は、午前零時を回ったところでお開きとなった―


一夜明けて、白馬は晴天。
早起きした杜のメンバーたちが、思い思い散策に出る。
ネコパパも、朝風呂にゆったりと浸かってから、外の空気を吸いに出た。
青々とした森、雪化粧の峰。小道にはせせらぎの音があり、野の花は挨拶を交わす。こんな自然の懐で、音盤を擦る針、その振動を電力で増幅させることで再生される音楽を楽しむ行為とは、何だろう、とネコパパは思った。
風景に重なって、山を歩き、埋もれた廃線の軌道を追う男の姿が見えてくる。
そこに、音盤愛好家たちの姿がかぶる。埋もれた鉱脈のように、過去に続く、輝かしい時の記憶と音を刻んだ音溝が、埋もれた鉱脈、錆びた軌道のように、見え隠れする。
それは、男たちを魅了しながら、果てることなく続いていくのだ。

左上:豪華な食事
右上:しばしレコード談義
下:いつも楽しいワガママおやじさん

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  • 2013年09月21日(土)14時59分

今週の一枚に出来なかったエリントン

お客様がいらしたとき、リクエストがあればそれをかけるがない場合は私が適当に選んでかけている。だいたい私の好きなレコードをかける場合が多い。
福岡市のY根さんがいらしたとき、ジャズの音のいいものを何枚かかけて最後にまだリストに出していなかった”Duke Ellington / Masterpieces by Ellington”をかけた。

レコードをかけるときは私の説明が入ることが多い。
それまで78回転のSP盤オンリーだったレコードは、1948年ころ33.1/3回転のLPが開発され、米国Columbiaから発売された。初期は10インチだったが50年ころに12インチも発売されている。以後10インチ盤と12インチ盤は共存し、1956年ころ12インチオンリーになっていく。
LPレコードの開発によってそれまで3分間と限られていた演奏時間が時間の制約を受けずに演奏できるようになり、デューク・エリントンがそのことを喜んで受け入れた一人だったことは容易に想像できる。エリントンは1930年代既に”Reminiscing in Tempo”という6分以上の曲をSP盤2枚、4パートに分けて録音している。つまり12分以上の演奏をレコーディングしているのである。そして、エリントン最初の12インチLPがこの” Masterpieces by Ellington”なのだ。

最初の曲はエリントンが生涯最も多く演奏したであろうと思われる”Mood Indigo”。ピアノのイントロからいつものハーモニーによるテーマ、そしてラッセル・プロコープ、ジョニー・ホッジス、レイ・ナンス、ポール・ゴンザルヴェスそしてイヴォンヌのヴォーカルとソロが続く。特にホッジスのアルトサックス・ソロの場面でY根さんは感激していたようである。また、ローレンス・ブラウンによるワウワウ・ミュートが入るところも凄かった。(1930年ころに、エリントン楽団のメンバーであるバッバー・マイリーやジョー・トリッキーサム・ナントンなどによって開発された奏法で、ミュートには便所掃除用のラバー・カップを使っている)

「12インチLPとしては最初期のレコードなのに何故こんな音が入っているんでしょう?」
「当時、既に録音技術は確立されていたのでは?」
「ベースの音なんかもしっかり入っていますね」
とか話しているとY根さん、
「プライスカードが付いていませんが、売り物ですか?」
「次々回の新着に出す予定でまだ価格は付けていないんです」
「いただきますのでお願いします」
今週の一枚にする予定だったが、結局Y根さんところへ行くことになった。

先週K藤さんがご夫婦で見えた時のも同じパターンで、かけなければいいものをかけてしまった。
「すいません、もう売れていまして」

一昨日、別のお客さまも、
「すいません、もう売れていまして」

昨日新着情報を更新したけど、結局リストには載せることが出来ずY根さんへ。

Duke Ellington / Masterpieces by Ellington
Columbia ML 4418

(Side 1)
1. Mood Indigo
2. Sophisticated Lady

(Side 2)
1. Tattoode Bride
2. Solitude

(Personnel)
Duke Ellington(p), Wendell Marshall(b), Sonny Greer(ds), Yvonne(vo)
Russel Procope, Paul Gonzalves, Johnny Hodges, Jimmy Hamilton(reed)
Nelson Williams, Andrew Ford, Harold Baker, Ray Nance, William Anderson, Mercer Ellington(tp)
Quentin Jackson, Lawrence Brown, Turee Glenn(tb)

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  • 2013年08月18日(日)09時13分

老人会

先ほど不燃物の回収で公園に段ボールや空き瓶などを持っていった。
そこに私たちの隣保組長さんがいらして、
「新納さんはおいくつですか?」とおっしゃる。
「66です。」
「あ、それで分かった。老人会の名簿に載っていなかったものですから。」
「いくつから老人会には入るんですか?」
「70歳からです。この組には2人名簿に載っていない方がいるんです。」



70になっても老人会に入るつもりはないんだけどな~。
いくつになっても現役!

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Web Diary