レコードのススメ

第1章:レコード講座
  第10節 新ラベルの見方シリーズ M)Clef

ClefはNorgranと同様、マーキュリーのプロデューサーだったノーマン・グランツが1947年に設立したレーベルで、グランツが独立した1953年からLPのリリースを行っている。
またノーガンと同様、高音質盤が多いことでも知られ、コレクター垂涎のレコードも数多くリリースされているが、グランツがマーキュリー時代にリリースした音源をクレフになっても使っていることもあり、オリジナリティの判断には”Goldmine Price Guide”など経歴の分かる資料を参照する必要もある。
そして、1956年、グランツはクレフ及びノーガンを統合し、ヴァーブにレーベル名を変更している。
今回はクレフ・レコードのラベルの変遷について説明します。

1)1953年から54年、一部は55年まで10インチ盤をリリースしていて、番号はMGC-100からMGC-160番台及びMGC-500からMGC-510番台まで、黒にシルバー文字、Norgranと同様デヴィッド・ストーン・マーチンのイラストによるトランペッターのロゴを使っています。下部の記載は"Jazz at the Philharmonic, Inc."となっていて、トランペッターのサイズは大、太枠になっています。
MGC-169まで確認。



1)Black lbl w/"The Man w/Horn" logo, & w/"Jazz at the Philharmonic, Inc." printed at bottom

2)12インチは1953年からリリースが始まり、1955年まで、番号はMGC-600番からMGC-660番前後まで、スタイルは10インチ盤と同じデザインで、黒にシルバー文字、デヴィッド・ストーン・マーチンのイラストによるトランペッターのロゴを使っています。下部の記載は"Jazz at the Philharmonic, Inc."となっています。
トランペッターのザイズが大はMGC-637まで確認、小はMGC-648まで確認。
また、右の写真から、番号が進むにつれてトランペッターが小さくなっていますのでトランペッターの大小でオリジナリティを判断するのは難しいと思われる。





2)Black lbl w/"The Man w/Horn" logo, & w/"Jazz at the Philharmonic, Inc." printed at bottom

3)1955年から1956年、番号はMGC-660前後からMGC-743くらいまで同じデザインで、黒にシルバー文字、デヴィッド・ストーン・マーチンのイラストによるトランペッターのロゴを使っていて、下部の記載は"Clef Records, Inc "となっています。
トランペッターのサイズは小。
MGC-740まで確認。




3)Black lbl w/"The Man w/Horn" logo, & w/"Clef Records, Inc." printed at bottom

4)Clefでは上記以外にも1954年に"Jazz at the Philharmonic"シリーズをリリースしていて、番号はMG Vol. 1からMG Vol. 17まで、ラベルスタイルはイエローないしは白ラベルに赤い服のトランペッターで下部の記載は"Jazz at the Philharmonic, Inc."となっています。
但し、このシリーズは殆どがマーキュリーの再発と思われ、また黒ラベルにシルバー文字&トランペッターもあるようです。
MG Vol. 16まで確認



4)Beige lbl w/red "The Man w/Horn" logo, w/"Jazz at the Philharmonic, Inc." printed at bottom

レコード番号はあくまでも参考的なものです。

※参考資料
Goldmine Price Guide