レコードのススメ

1.オリジナルプレス(Original Press)への誘い

音楽愛好家なら誰でも、LPやCDを聞いているとき、「昔聞こえた音とは違う。」という経験が1度や2度はあるはずです。CDや最近のLPではColtraneの熱いエネルギーやDolphyの魂の叫びを聞くことは出来ません。

ところが、オリジナルプレスからは聞こえてきます。なぜなのか・・・

オリジナルプレスには、ミュージシャンの熱い思いやエンジニアのミュージシャンに対する思い入れがこもった録音がされていますが、再プレスでは、できあがった録音をさらにリマスタリング・エンジニアの感性で音を変えてしまっているし、どのような音源で再プレスしたのだろうと思うような状態になってしまっているものがほとんどです。ただし一部のエンジニア(DougSax、Bernie Grundman等)の制作によるオリジナル・リマスター盤(Original Remaster Press)では、熱い思いに近いものを聞くことが出来ます。

そこで当店のリストは、できるだけオリジナル盤か否か、エンジニアは誰なのかといった情報を含めて作成しております。若干価格が高めになりますが、お気に入りのミュージシャンのオリジナル盤を是非一度お聞きください。きっとあなたをオリジナル盤の虜にしてしまうパワーを秘めています。

しかし、オリジナル盤は往々にして古いものです。ご存じの通りレコード盤も長く使っているとカビ、ほこり、傷がつき、スクラッチノイズ(あのプチプチパチパチ音)の原因となります。スクラッチノイズがいやでCDに切り替えた、というかたは多いものです。しかし、相当ひどいレコードでもスクラッチノイズが気にならない程度に回復する方法はあります。

そこで次回はレコードのクリーニング法について説明したいと思います。なにげにクリーニングスプレーを使っている方、次回までスプレーの使用を控えてお待ちください。