過去の今週の一枚



リストの見方
Cover Photo (完売)
<Track Title>
A1 I Hadn't Anyone Till You
A2 Day In - Day Out
A3 How Did He Look
A4 Someone To Watch Over Me
A5 This Love Of Mine
A6 Why Shouldn't I
B1 The Very Thought Of You
B2 Too Marvelous For Words
B3 My Funny Valentine
B4 It Had To Be You
B5 I See Your Face Before Me
B6 April In Paris
 
ビー・アボット、初めて聴く人だ。レコードを眺めているとレーベルはウェストミンスターとなっている。
ウェストミンスターは1950年代初め、レコーディングのためウィーンに録音機材を持ち込み、当地のクラシック・ミュージシャンの録音を数多く行ったこと、またその音質も非常に優れていたことで知られる。しかし、ポピュラー系のレコードは非常に少なく、どんな音作りなんだろうと興味津々になった。
ビー・アボットに戻るが、彼女はあちこち調べてもライナーノーツに書いてあることしか情報がない。ロードアイランド州プロヴィデンス生まれ、ジュニア・ハイスクール時代に歌い始め、ニューヨークに出てボイド・レイバーン楽団でコモドア・ホテルに出演。その後ヘンリー・ジジェローム楽団と共にパーク・シェラトン・ホテルにも出演。以後、シカゴに活動の場を移し、スタン・ケントン楽団で活躍したヴァイオリン奏者、ハル・オティスの楽団とシェラトン=ブラックストーン・ホテルのカフェ・ボナパルトで人気を得た。分かったのはこれだけで、どうもレコードは他に1枚あるかどうからしい。
こんなときは聴いてみるのが手っ取り早い。
1曲目、レイ・ノーブル作曲の女性ヴォーカリストがよく取り上げる「アイ・ハドント・エニイワン・ティル・ユー」では暗闇の中からアボットがスッと現れて語り始める。しかし、音が小さい。音圧が低いのかなと思ったのだが、小声で囁いているのだ。で、アボットがゆっくり前に出てきて殆ど喘ぎみたいな声で、歌というか語りというかそんな雰囲気で迫ってくるのだ。色に例えるならブルー?パープル?いやセピア色の吐息。これは凄い!
2曲目「デイ・イン=デイ・アウト」はラテンタッチでスインギーだが、こちらは雰囲気がガラッと変わってキュートな歌である。いや〜、参った。こんな歌い方もあるのだ。ホテルのバーやクラブで歌っていただけあって、自然に男心をくすぐるってくれる。
こんな人は昼間聴くべきではない。夜の12時過ぎ、お風呂に入って下着を整えて、照明は白熱球のスタンドがよろしい。名門レーベル、ウェストミンスターの音質もさすがの高評価・・・夜用のレコードだけど夜聴くと危険!

Cover Photo
Cover Photo
Cover Photo
Order No. 57396
Artist/Group Bea Abbott
Title The Too, Too Marvelous Bea
Price(Incl. Tax)
Country USA
Company Westminster
Prefix WP 6078
Issue Year 1958
Media 12" LP
Recording Monaural
Label Purple lbl w/silver print & logo
Originality Original
Matrix No. Side A
Matrix No. Side B
Engineer
Mastering Engineer
Cover Condition
Vinyl Condition
Cover CJ
Sound Grade Kindan no Oto