過去の今週の一枚



リストの見方
Cover Photo (完売)
A1 But Not For Me
A2 Surrey With The Fringe On Top
A3 Moonlight In Vermont
A4 Music, Music, Music
A5 No Greather Love

B1 Poinciana
B2 Woody 'N You
B3 What's New

Bass - Israel Crosby
Drums - Vernell Fournier
Piano - Ahmad Jamal
 
マイルス・デイヴィスが自身のバンドのピアニストに「アーマッド・ジャマルのように弾け」といったことがあるという話は以前から聞いていた。しかしどんなピアノを弾けと言っているのかは分からなかったのだが、今回ジャマルの最高傑作とされる1958年パーシング・ラウンジにおけるライブ・アルバムを聴いてその理由が少しつかめてきた。
マイルスは自伝の中で姉からジャマルの音楽を「あんた、気に入るわよ!」と言って勧められたそうである。そして、ジャマルのリズム感と彼の「間(スペース)のコンセプト、タッチの軽さ、控えめな表現」に感銘を受けたと述べているそうである(Wikipedia参照)。
冒頭の曲「バット・ノット・フォー・ミー」を聴いてみると、スタイルは軽め、シャンパンミュージック的ではないが、若干近いものも感じる。でも、ドラムとベースはパワフルである。それに一番ビックリしたのは、ジャマルはメロディを弾くときほんの一部だけ音を抜くのである。つまり譜面に書いてある通りに弾いていながらちょっとだけ無音の部分がある。「ん、何だ!これは?」と思ったが、何と欠けているからちゃんとメロディが聴こえているように感じるのだ。もちろんベースとドラムはそのまま続いているのだがそのおかげでピアノ音のないところにも音の存在を感じるのだ。これは凄いテクニック、こんな弾き方をするピアニストが他にいただろうか?
ジャズピアニストにも色んなタイプがいるが、ジャマルはギンギンのピアノと言うより分かりやすいピアニストの部類に入ると思うけど、表現は実にユニークである。マイルスの言っている意味がこのレコードを聴いて分かったような気がする。
そしてこのアルバム自体が名演奏「ポインシアーナ」の人気もあって108週間(二年間)ベストセラーのチャート10位以内にとどまったということも知られている。
Argoのモノラルは音も優秀、ジャズファンでなくても一度は聴いてほしいアルバムである。

Cover Photo
Cover Photo
Cover Photo
Order No. 54217
Artist/Group Ahmad Jamal
Title Ahmad Jamal Trio at the Pershing, But Not For Me
Price(Incl. Tax)
Country USA
Company Argo
Prefix LP 628
Issue Year 1958
Media 12" LP
Recording Monaural
Label Black lbl w/silver print & logo
Originality Original
Matrix No. Side A
Matrix No. Side B
Engineer Malcom Chisholm
Mastering Engineer
Cover Condition
Vinyl Condition
Cover
Sound Grade Kindan no Oto