レコードのススメ

第1章:レコード講座
 第7節 音質評価

オーディオ雑誌などで「試聴するハードによって、ソフトの評価は一変してしまう可能性がある」といった記事を目にすることがあります。しかし、ハードによってソフトの評価が変わるのであれば、音質評価なんて意味がないものになってしまいます。例外もありますが、殆どの場合音質の善し悪しは似たような傾向にあるといえます。
ソフトの音質には「桁外れに凄い」「とても素晴らしい」「素晴らしい」「普通」「問題外」等に分けることが出来ます。ソフトの音質がシステムによって変わるのであれば「聴いたシステムに問題がある」ないしは「ソフト自体が大したことはない」のどちらかでしょう。

当店のレコードリストには“音質評価”という項目があります。私が聴いた音的な感想を“音質評価”で表現しているわけです。今回は音質評価の基準について説明しましょう。なお“音質評価”には、マーチン・ローガンをメインとしたシステムを使用しています。

TAS Super Disc:ハリー・ピアソン氏が主催する“The Absolute Sound”選定のスーパー・ディスク、オリジナル盤であれば無茶苦茶な高音質です。世界の音質評価の基準になっています。

Killer Sound:当店がお薦めする一級の高音質盤。音色のナチュラルさ、ワイドレンジ、立体音場の再現に優れ、たくさんの情報を持ち、殆ど非の打ち所のない高音質盤です。ステレオ盤のみ選定しています。

Kindan no Oto:モノラル盤のなかに非常に優れた高音質盤があります。モノラルなのに演奏者がそこにいて演奏している様子が分かるような音、文字通り「禁断の音!」です。

Top Recommended:Killer Sound、Kindan no Otoに近い高音質盤。オーディオ的に十分愉しめます。(ステレオ、モノラル)

Recommended:部分的に物足りないところがあっても、音楽表現は充分。全てではありませんが、オリジナル盤でマトリクッスナンバーの早いものはだいたいこの範疇に入ります。殆どのシステムで、いい音で鳴ってくれます。(ステレオ、モノラル)

何も書いていない:普通ないしはそれ以下。

私の考える高音質盤とは、自然な音を第一に考えていますので、低域や高域などを部分的に誇張したものの評価は低くなっています。