過去の今週の一枚



リストの見方
Cover Photo (完売)
A1 Back To The Land
A2 Constantinople
A3 You Got It

B1 St. James Infirmary
B2 Follow The Leader
B3 Ow

<Personnel>
Bass - Ray Brown
Drums - Mickey Roker
Piano - Count Basie
Trumpet - Dizzy Gillespie
 
日本とアメリカではジャズファンに好かれるミュージシャンとそうでないミュージシャンに相当な違いがあるように思う。ソニー・クラークは日本では人気度が高いがアメリカではそうでもないらしい。日本で人気があるのはビル・エヴァンス、ジョン・コルトレーン、マイルス・デイヴィスほかたくさんいるが、人気がイマイチそれもアメリカでの人気度が高いのが、エロール・ガーナーやディジー・ガレスピーなどである。今回はそんな人気がイマイチのディジー・ガレスピーの話。
若い頃からガレスピーはよく聴いていた。「ジャンボ・カリベ」、「スイング・ロウ・スィート・キャデラック」、「ポートレイト・オブ・デューク」などはずっと長い間愛聴盤になっていたのだ。何年か前ご来店頂いたお客様にガレスピーのレコードを勧めたら「ガレスピーはオチャラケみたいであまり聴かないんです」とおっしゃる。私はユーモアがあって楽しいと思っていたのでちょっとビックリした。
そう言えば日本のジャズファンはハッピーな感じよりも暗くてピーンと張り詰めているようなもののほうがお好きなようだ。私は暗いとか明るいとかでの好き嫌いはないけど。
ではディジー・ガレスピーを少し紹介してみよう。
1930年代はキャブ・キャロウェイ楽団やテディ・ヒル楽団に在籍していた。1940年ころドラマーのケニー・クラーク、ギタリストのチャーリー・クリスチャン&セロニアス・モンクなどとこれまでにないスタイル、リズムやアドリブを重視したビバップの発祥に貢献し、チャーリー・パーカーと共にビバップというスタイルを完成の域にまで引き上げた功労者である。もちろん後のモダンジャズはこれから成長していくのだが。
ガレスピーはこの後何度もビッグバンドやコンボになったりスタイルを変化させながら、いろんなミュージシャンと共演し幾多のレコードを残している。ただ、エンターティナー性の高いミュージシャンであったためユーモラスなヴォーカルを披露することもいくつものレコードで聴くことが出来る。私の場合はガレスピーのエンターティナー性も好きなので、ずっと聴いてきたわけである。
今回紹介する「ギフテッド・ワン」はカウント・ベイシーとの共演アルバムで、これまでのガレスピーとは全然違うシリアスな一面を見せてくれる。やはりベイシーの存在が大きいのだろうか?「セントジェームス病院」でのミュートトランペットはクスリで亡くなった恋人を迎えに行く若者の心情を歌に込めている内容だが、このトランペットが凄くて、聴く者の心に突き刺さってくるのだ。そしてベイシーのブルースフィーリング溢れるソロがこれまた素晴らしい。パブロのレコードには音質的に優れているものが多いが、これもそんな一枚で涙なしでは聴けないアルバムである。

Cover Photo
Cover Photo
Cover Photo
Order No. 49573
Artist/Group Dizzy Gillespie / Count Basie
Title The Gifted One
Price(Incl. Tax)
Country USA
Company Pablo
Prefix 2310 833
Issue Year 1979
Media 12" LP
Recording Stereo
Label Brown lbl w/orange logo, & w/"Manufactured by Pablo Records, Inc." printed at bottom
Originality Original
Matrix No. Side A
Matrix No. Side B
Engineer Val Valentin
Mastering Engineer
Cover Condition
Vinyl Condition
Cover GF/CJ
Sound Grade Killer Sound