過去の今週の一枚



リストの見方
Cover Photo A1 Soulville
A2 Late Date
A3 Time On My Hands

B1 Lover Come Back To Me
B2 Where Are You
B3 Makin' Whoopee
B4 Ill Wind

Bass - Ray Brown
Drums - Stan Levey
Guitar - Herb Ellis
Piano - Oscar Peterson
Tenor Saxophone - Ben Webster
 
ジャズには様々な楽器が登場するが、リーダーが演奏するないしはフィーチャーされる楽器で多いのはピアノ、テナーサックス、トランペットなどだろう。今回はテナーサックスについて触れてみる。
ジャズの初期、ニューオリンズ時代にはトランペット、トロンボーンそしてクラリネットが主流でテナーサックスやアルトサックスは、実際には使われていたもののあまり表に出てこない。ジャズシーンでテナーサックスがスポットライトを浴びるのは1930年代前半フレッチャー・ヘンダーソン楽団でのコールマン・ホーキンスの活躍以降でありスイング時代になってからと言ってもいい。
この時期にはカウント・ベイシー楽団にはレスター・ヤング、少し遅れてデューク・エリントン楽団にはベン・ウェブスターが登場し、テナーサックスがジャズの花形スターとしての地位を確立するようになる。
ビバップを経てモダンジャズの時代になると、ソニー・ロリンズ、デクスター・ゴードン、スタン・ゲッツ、ジョン・コルトレーン、ベニー・ゴルソンなどなどまさに百花繚乱となる。
1960年代フリージャズを含めてジャズが多様な時代になってもウェイン・ショーター、アルバート・アイラー、アーチー・シェップ、ファラオ・サンダースほかが活躍しテナーサックスはジャズの重要な楽器としての存在は変わっていない。
今回は数あるテナーサックス奏者のうち、キング・オブ・テナーと呼ばれるベン・ウェブスターを紹介しよう。
ウェブスターはカンザスシティ出身であり、1930年代始めカンザスの有力バンドベニー・モーテン楽団に入団する。もちろんこの楽団は後のカウント・ベイシー楽団の全身であり、以後コールマン・ホーキンスの後釜としてフレッチャー・ヘンダーソン楽団に加わりいくつかの有名楽団を経て、1940年にはデューク・エリントン楽団に入団している。
エリントン楽団はそれまでクレリネット奏者バーニー・ビガードなどがテナーサックスを担当することがあったもののテナーサックスをソロ楽器としては使っていなくて、ウェブスターが初めてのテナーサックス・ソロ奏者となり、「チェルシー・ブリッジ」などテナーサックスをフィーチャーした名演を残している。
ただ、他のエリントニアンズは長期間に渡って楽団に在籍しているものの、ウェブスターだけは1943年には退団しているのである。これはウェブスターがエリントンを殴ったことでクビになったとのことのようだ。
以降40年代には目立ったレコーディングはないが、50年代になるとノーマン・グランツのノーガンでレコーディングを行い、「ザ・キング・オブ・テナーズ」ほか名演を数多く残している。彼のプレイスタイルは重心の低いサウンドとサブトーンの使い方に特徴があり、またよく歌うテナーサックスである。
お勧めの「ソウルヴィル」では彼の得意とするバラードプレイが全編で展開し、特に「恋人よ我に帰れ」ではミディアムテンポにもかかわらず歌い方はバラードそのもので「ス・ス・ス」あり「ズバッ」ありで、「これぞテナーサックス」と言いたくなるような見事なプレイを聴かせてくれる。
キング・オブ・テナー、ベン・ウェブスターの最高傑作はこれ。

Cover Photo
Cover Photo
Cover Photo
Order No. 53651
Artist/Group Ben Webster
Title Soulville
Price(Incl. Tax)
Country USA
Company Verve
Prefix MGV 8274
Issue Year 1958
Media 12" LP
Recording Monaural
Label Black lbl "The Man w/Horn" logo
Originality Original
Matrix No. Side A
Matrix No. Side B
Engineer
Mastering Engineer
Cover Condition
Vinyl Condition
Cover
Sound Grade Top Recommended