過去の今週の一枚



リストの見方
Cover Photo (完売)
A1 Straight No Chaser
A2 Lover Man
A3 What's New
A4 Autumn Leaves

B1 Time Out For Chris
B2 Spartacus Love Theme
B3 So What

Bass - Eddie Gomez
Drums - Marty Morell
Flute - Jeremy Steig
Piano - Bill Evans
 
ゴールドマイン・プライスガイドを見ていて、ジャズやヴォーカルではプロモ・コピーといっても特別な価格は付いていないけどロックのプロモには高価格のものがあるということは知っていた。ロックには、例えばピンク・フロイド/狂気(SHVL 804)のようにソリッド・ブルーというものが存在し、プロモとは少し違うがこの音は通常のオリジナル「グラモフォン・リム」とはかなり違った研ぎ澄まされた音だったことを記憶しているし、ジャズでいうとエラ・フィッツジェラルド/ライク・サムワン・イン・ラブ(MGV 4004)やジュリー・ロンドン/ユア・ナンバー・プリーズ(LRP 3130)などのプロモで「これはいつもの音よりは新鮮なサウンドだ」と感じたことはある。
ロックのプロモはあまり聴いていないので省略するが、ジャズやヴォーカルのプロモに関して言うと、プロモだからといって通常のオリジナルより音がいいと感じたことが少ないのも事実である。例えばコロンビアの場合、マトリクスナンバーの順序がはっきりしているのでプレスの順番が分かりやすく、プロモであるなしにかかわらずやはり1A/1Aのほうが音的に優れていると感じている。
今回紹介するビル・エヴァンス/ワッツ・ニューはMGM・ヴァーブ(60年以前のVerve Inc.とは違い61年以降のVerve)の制作であり、同レーベルのプロモにはイエロー・プロモ・ラベルとホワイト・プロモ・ラベルがあり、これまでイエロー・プロモにこれはいつものオリジとは違う音と思ったことは殆んど記憶していなく、ホワイト・プロモの深溝で少しは違うかなと思ったことはある。
だから、聴く前の心構えとしては何の期待もしていなかったのだけど・・・最初にジェレミー・スタイグのソロが出てきてビル・エヴァンスがそれに絡んだとき「わ〜、これは何だ!」それこそのけぞってしまった。正直このアルバムはこれまでかなりの枚数を聴いていて音のレベルが十分高いことは知っていたけど、全然違うのである。エッジの立ち方も違うし音の鮮度も違う、SN比が凄く高くてピアノとスピーカーが目の前に飛び出してくる。
ジェレミー・スタイグはフルート奏者の中でも最も挑戦的なスタイルだが、ビル・エヴァンスのピアノはどちらかというと内に秘めたスタイルだけど、このアルバムでのエヴァンスはスタイグの挑戦を真っ向から受け止めて逆に攻撃しているような、火花を散らす二人のやり取りである。
二人が真剣勝負をしているのがスピーカーの前後で展開されて・・・こんなレコードを聴いたら他のレコードが聴けなくなる。

Cover Photo
Cover Photo
Cover Photo
Order No. 53626
Artist/Group Bill Evans
Title What's New
Price(Incl. Tax)
Country USA
Company Verve
Prefix V6-8777
Issue Year 1969
Media 12" LP
Recording Stereo
Label Yellow lbl w/black print & logo, & w/"A Division of Metro-Goldwyn-Mayer, Inc." printed at botom
Originality Original
Matrix No. Side A
Matrix No. Side B
Engineer Ray Hall
Mastering Engineer
Cover Condition
Vinyl Condition
Cover
Sound Grade Killer Sound