過去の今週の一枚



リストの見方
Cover Photo
A The Magic Of Ju-Ju

B1 You're What This Day Is All About
B2 Shazam
B3 Sorry 'Bout That

Bass - Reggie Workman
Drums - Beaver Harris, Norman Connor
Percussion - Dennis Charles
Percussion - Eddie Blackwell, Frank Charles
Tenor Saxophone - Archie Shepp
Trumpet, Flugelhorn - Martin Banks
Trumpet, Trombone - Michael Zwerin
 
1960年代はジャズにとっては次にどう進化するかを問われた時代であり、マイルス・デイヴィスが1958年ころから取り入れたモード・ジャズ、モードの手法を取り入れた新主流派、スタン・ゲッツなどに代表されるボサノヴァ、ラムゼイ・ルイスやリー・モーガンなどが取り入れたジャズ・ロックそしてオーネット・コールマンによって導入されたフリー・ジャズなど多彩な演奏スタイルが花開いたのである。
ここではフリー・ジャズについて述べてみよう。フリー・ジャズとはそれまでのジャズの手法から開放されて自由なスタイルで演奏するということを主眼にして行われたジャズの手法の一つで、何も約束事がないというわけではなく、当然曲のタイトルも有り、ストーリーもあるので曲ごとに様々な表現を行っているのである。仮に演奏者がバラバラに勝手に演奏したとしたらもうそれは音楽ではなくなってしまうのだ。過去の約束事とは違う音楽表現というべきだろう。
フリー・ジャズのミュージシャンには、先述のオーネット・コールマン、エリック・ドルフィー(私はドルフィーのスタイルをフリーとは思わないが、コールマンとの共作「フリー・ジャズ」ではフリーな演奏を行っている)、ドン・チェリー、ジョン・コルトレーン(コルトレーンはモード・ジャズを進化させた一人でもあるが、「アセンション」以降はフリーに突入している)、アルバート・アイラー、アーチー・シェップなどが有名どころである(他にもたくさんいる)。
今回の推薦盤、アーチー・シェップはジョン・コルトレーンの推薦でインパルス・レーベルに「フォー・フォー・トレーン」をレコーディングし、「アセンション」にはメンバーの一人として参加し演奏スタイルからもコルトレーンの影響を大きく受けたということが分かる。
この「ザ・マジック・オブ・ジュ・ジュ」では1曲目のタイトル曲で打楽器のみをバックにテナーサックス・ソロを延々と繰り広げるのである。いや、よくこんなに吹けるものだと感心もするけどすごいエネルギーである。今の時代こんなエネルギーが暴発したようなジャズにはお目にかかれないけど。
それとバックの打楽器が凄く興味深いので紹介すると、
talking drum - アフリカ発祥の打楽器
rhythm logs - 木製の打楽器(多分アフリカ発祥)
percussion - ボンゴ、コンガ他ラテン系の打楽器
ドラムセット2台
という陣容になって、シェップのソロを強烈に支えているのである。
B面では敬愛するデューク・エリントンを意識したのか、シェップ独自のハーモニーを聴くことも出来るのは嬉しい。
60年代のエネルギーをまともに浴びることの出来るアーチー・シェップの代表的なアルバムは「フリーは聴かない」とかおっしゃる方にも聴いて欲しい一枚である。

Cover Photo
Cover Photo
Cover Photo
Order No. 53442
Artist/Group Archie Shepp
Title The Magic Of Ju-Ju
Price(Incl. Tax)
Country USA
Company Impulse
Prefix AS 9154
Issue Year 1967
Media 12" LP
Recording Stereo
Label Red black lbl
Originality Original
Matrix No. Side A
Matrix No. Side B
Engineer Bob Simpson
Mastering Engineer
Cover Condition
Vinyl Condition
Cover GF/CJ
Sound Grade Top Recommended