レコードのススメ

第1章:レコード講座
  第3節 レーベル判別シリーズ L)Decca


1929年エドワード・ルイスによってイギリスで設立されたDeccaは、アメリカでは1934年ブランズウィックを独立したジャック・キャップによって設立されています。
Deccaの専属契約第一号は、ブランズウィックの大スター、ビング・クロスビーで、30年代~40年代ビングはヒット曲を連発し、1942年に発売された「ホワイト・クリスマス」はアメリカ・ポピュラー史上最高の販売数を記録しました。
Deccaに録音を残したミュージシャンはビングのほかに、ルイ・アームストロング、エラ・フィッツジェラルド、ペギー・リー、カーメン・マクレー、ビリー・ホリデーなどのヴォーカリストがたくさんいます。また、レスター・ヤングが活躍した時代のカウント・ベイシーやナット・キング・コールのピアニスト時代などジャズ史に重要な足跡を残したプレーヤーの録音も行っています。
Deccaは、RCA、Mercury、EMIと共に「四大レーベル」とも呼ばれていますが、これは英国Deccaを指しています。

当レーベル判別シリーズは、アメリカ・レーベルに関しての記載です。ここでも、米国Deccaに関しての説明行っています。

1)1950年から1954/5年まで、黒地にゴールド(ないしはシルバー)文字のセンターレーベルで、下部に“Microgroove Unbreakable”の文字が入っています。

2)1954/55年から1960年まで、黒地にシルバー文字のセンターレーベルで、下部に“Long Play”の文字が入り、ラベルのサイズは小さめの9cmになります。(8000s)(ジャンル違いに、同じスタイルの小豆色のセンターレーベルもあります)





上段: Black Lbl w/Gold Print & Logo, and w/Microgroove Unbreakable at Bottom
中段:Black Lbl w/Silver Print & Logo, and w/Microgroove Unbreakable at Bottom
下段:Black Lbl w/Silver Print & Logo, and w/Long Play Printed at Bottom
3)1960年から1966年まで、黒地にシルバー文字のセンターレーベルですが、中央にカラーのベルトが入り、ベルトの下に“...mfd by Decca Records Inc. New York, U.S.A.”の文字が入ります。(4000~4830s)

4)1958年から1960年まで、ステレオのみ黒地にシルバー文字のセンターレーベルで、上部に大きな“Decca Stereo”の文字が入ります。(Prifixの頭が7)

5)1967年から1971年まで、3)と同じスタイルのセンターレーベルですが、ベルトの下の文字が“...a Division of MCA...”に変わります。(4800s)

6)1971年から1972年まで、3)5)と同じスタイルのセンターレーベルですが、ベルトの下の文字が“..mfd by MCA...”に変わります。


左:Black Lbl w/Color Spectrum Mid-Section & w/"....mfd by Decca Records Inc. New York, U.S.A." Printed on Lbl
中央:Black Lbl w/Silver Print & Logo, & w/"Decca Stereo" Printed Upper Perimeter
右:Black Lbl w/Color Spectrum Mid-Section & w/"...a Division of MCA..." Printed on Lbl


注:カッコ内のレコード番号は、あくまでも参考的なものです。