店主のひとりごと

 

  • 2014年10月10日(金)14時41分

「2014、杜の会in 白馬」レポートNo.2

十周年記念の企画は「一押しの1枚」である。
まずはMさんの、歓迎の曲。
ローズマリー・クルーニー&ハリー・ジェイムズ『ハリウッド・ベスト』米COL。ハリーの伸びやかなトランペットに導かれる、クルーニーの温かみのある歌が艶やか。コロムビア・カーブとRIAAカーブの聴き比べでは、後者で高音に艶がかかるのがはっきりと聴き取れる。
Mさん、もう一曲。次は日本のヴォーカル。奥村チヨ『くやしいけれど幸せよ』日東芝。
これだ。60年代のAMで聴いた音は。中音域に声と伴奏が集中する温かい音が耳を撫でていく。

マント・ケヌーマーさんは、門外不出、原点の一枚をついに披露した。カール・シューリヒト指揮ウィーン・フィル、ブルックナー『交響曲第9番』英HMV。クラシックファン垂涎の、不滅の第3楽章アダージョが響きわたる。

Musashi no papaさんはトミー・フラナガンの名盤『オーヴァー・シーズ』。Metronomeオリジナル7インチEP盤と、ルディ・ヴァン・ゲルダーがマスタリングを施した米Prestige12インチ盤を比較する。素朴なMetronome盤のあとにPrestige盤を聴くと、奏者たちがぐっと前に出る。ベース、ドラムの音圧もすごい。何をした?ルディ。

ネコパパは、この日のために発注し、間一髪で到着した一枚を。
ブルーノ・ワルター指揮ニューヨーク・フィル、 ベートーヴェン『エグモント序曲』英PHILPS、モノラル。自宅で試聴したところ、国内盤に比べ低音多め、高音少なめに聞こえた。「FFRR(デッカ)カーブか」と当たりをつけ、Mさんに調整をお願いした。ドンピシャだ。柔と剛のせめぎ合うワルターの熱演、楽しんでいただけただろうか。

Roxanさんは、50年代、60年代、80年代を代表するロックの7インチシングル盤3枚。最初の2枚はジャケットなし。スリー・ドッグ・ナイト、マイク・オールドフィールド…、ビンときたのは、スリー・ドッグ・ナイト。ネコパパにはロックの文法がろくにわからない。申し訳なし。

Recooyajiさん、意表をついて、ダリダのヒット曲『甘い囁き』。アラン・ドロン語る、巧言令色の誘惑言葉を、ダリダの歌が跳ね返す…懐かしい一曲。

言葉、言葉、言葉
いつもの言葉 ただの言葉 安易な言葉 
はかない言葉 虚飾の言葉…
でも これでおしまいよ 夢のような時は
忘れてしまえば 言葉も 思いも 色あせる…

Recooyajiさんのもう一枚は、レナータ・マウロ『5』伊DIRE。夜の雰囲気に満ちたバラード。クレシェンドするフレーズが、聴き手にそっと近づいてくるようにも。希覯盤とのこと。とすると、こちらから彼女に近づくことは、難しそう。

Konkenさんの一枚。サド・ジョーンズ『モーター・シティ・シーン』日UA。デトロイトのジャズメンによるハード・バップ。フラナガンがいい。サド・ジョーンズ、ちょっと変わった音…と思ったら、コルネットを吹いている。車のクラクションをイメージしたのか?

チャランさんの一枚なら、やはりこれだ。藤原真理『白鳥・夢のあとに』日DENON。日本の誇る名チェリストのデビュー盤。演奏だけではない。デジタル初期の低ビット録音ではあるが、見事な録音である。これを聴くと、無闇にビット数向上を競う近年のハイレゾ論議の意味は何か、と思いたくなる。

Paragonさんは、女性ヴォーカルが二枚だ。ちょっと素人っぽい歌唱で、50年代アメリカの街の空気を運び込むナンシー・スティール『ニーティ・ニッティ』米キャリオカ。B級の魅力っていうのかな。
もう一枚は、堂々たる正統の歌声。イギリスのベテラン歌手ローズマリー・スクァイヤーズ『Everything’s Coming Up Rosy』英HMV。
艶香ではなく気品で聞かせる歌。ジャケットの笑顔と配色から「赤のロージー」の異名を持つ希覯盤。これとは別に「青のロージー」もあるそうだ。次は、ぜひこれも…。

病回復して幹事に復帰されたSPUさん。まずは、おめでとうございます。SPUさんの一枚は鈴木章冶とリズム・エース『鈴懸の径』1957年発売7インチシングル、日ビクター。
戦時中の歌謡曲をテーマにした曲は、スウィング・リズムに古さはあるものの、ファンも納得の本格派ジャズ。これがシングル盤として出ていた時代があったのだ。

そして最後にDukeさんがヘレン・カー『ホワイ・ドゥ・アイ・ラヴ・ユー』米ベツレヘム。
想像(妄想)を喚起する、ゴールドブラッド撮影の妖しいジャケットが艶かしい。斜に構えたヘレンの歌が、またそれによく似合う。

-Tommy Flanagan / Over Seas-
-赤のロージー-
-幹事をしていただいたSPUさん-

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  • 2014年10月10日(金)14時39分

「2014、杜の会in 白馬」レポートNo.3

休憩、夕食の時間となり、宴席はレコード話中心に盛り上がる。
そこに到着したワガママおやじさんに、部屋の空気は明るくなる。杜には欠かせない古株の一人なのだ。
夕食後はリビングにセットされたマッキントッシュ・スピーカー中心の、ますます磨きのかかったシステムを駆使して会が続けられた。

まずはワガママおやじさんの一押し。
『ポール・サイモン・ソング・ブック』英COL。これは伝説のデュオS&Gの全盛期にサイモンがソロで録音した一枚で、彼独特の抑えたナイーヴな情感が染みる一枚。
何を隠そう、中学生時代、ネコパパが初めて「モノラル」という言葉を覚えたのはこの一枚だった。ワガママおやじさんの話には、ステレオも存在するという驚愕の事実もあった。
PARAGONさん、「隣のお姉さん」ことキャロル・クリーヴリング『Vol.1』。アメリカの小さなレーベルが見出した歌手。私家版に近いもの?希覯中の希覯という。
ネコパパ。チェット・ベイカー『ムーン・ラヴ』pacific国内盤…これはチャイコフスキーの交響曲第5番第2楽章そのもの…ということでご紹介。
Roxanさん。『ハンク・モブレイとマックス・ローチ』米Debut10インチ盤。レーベル名のどおり、モブレイのデビュー盤。
Konkenさん。またもサド・ジョーンズ。今度はベッパー・アダムスとの双頭コンボで『ミーン・ホワット・アイ・セイ』米Milestone。トランペットとバリトンサックスは似合いのコンビだ。でもこれは、ベイカー、マリガンとは一味違う野性味がある。
Musashi no Papaさん、ルー・ドナルドソン『ブルース・ウォーク』米Blue Note。文字通り「歩く」歩調で進むリラックスした演奏が楽しめる。でも、オリジナル盤の価格は…リラックスできなさそう。はたしてPapaさんの盤のオリジナリティは?
Mさんの『日本昔ばなし』のテーマで、室内の空気が和らぐ。
チャランさん、ダイレクトカッティングによる古くて新しい『ディキシーランド・ジャズ』。
マントさん、ジャズのエッセンスを存分に取り入れたラヴェルの名曲『左手のためのピアノ協奏曲』を、名盤サンソン・フランソワ(p)クリュイタンス指揮パリ音楽院管弦楽団、仏VSMで。
盛り上げは…SPUさんのベイシー、エリントン両楽団が一堂に会した『ファースト・タイム』米COL。左右のスピーカーから両楽団が掛け合う妙味。
Recooyajiさんのボビー・タッカーのピアノトリオ盤『トゥー・タフ』米JAMIE。中間派の落ち着いた演奏でリビングの部が締めくくられるや…お待ちかね、杜の名物、オークションの時間だ。

-休憩時間のレコード談義-
-遅れて登場のワガママおやじさん-
-美味しい食事がずらっと並んで大宴会-

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  • 2014年10月10日(金)14時30分

「2014、杜の会in 白馬」レポートNo.4

今回は錚々たる名盤がそろい踏み。
『スタディ・イン・ブラウン』、コルトレーン『バラード』ビル・エヴァンス『サンディ・アット・ヴィレッジ・ヴァンガード』ドラティ『リュートのための古代舞曲とアリア』のオリジナル盤から、新品未開封の重量復刻盤などのお宝が、格安の価格から続々競売される。例年よりもぐっと値段は釣り上がり「みんな、そんなに熱くならんで…」の声も。要のDukeさんまでが今回は「仕入れ」に走る騒動に。
ネコパパも、ちょっと熱くなりました。 

さらに夜は更けて…
杜の仲間同は、再び地下リスニングルームに降りていく。最後の一人になるまでの乱れ聴きが続くのだ。ネコパパ、朦朧の中でなんとか最後まで持ちこたえた…が、誰が、何を、どうだかについては、順不同の報告でご勘弁を。
『ジーン・アモンズwithエッタ・ジョーンズ』姉御肌の歌に野太いサックス。
『ワールド・パシフィック60th』アート・ペッパーが前奏、間奏、後奏だけ練習しているところ。珍しい。でもアドリブ聴きたい。
『フィル・ウッズ・アンコールズ』10インチ。演奏は端整そのものの。こういう場では目立たなくなってしまいそう。『チャーリー・ラウズ/ヤー』も同様。これらはじっくり聴き直したい逸品だ。
スザーネ・ラウテンバッハー(Vn)マルティン・ガリング(P)モーツァルト『ヴァイオリン・ソナタk526』独OPERA。マントさんがベルリンで発見した貴重ステレオ盤の音は、耳を洗うように清冽だった。
『鬼太鼓座』重低音で、システムの大型サブウーファーが唸る。閃光のような横笛も聴きもの。
『アルゼンチン・タンゴ』一曲。誰の盤かは…いわずもがな。
ワルツ『美しく青きドナウ』ロジェストヴェンスキー指揮、モスクワ放送響 露メロディア盤という意外。演奏も骨太のロシア調シュトラウス。そういえば作曲者はロシアでも人気で、モスクワにも何度か旅し、市民のために曲も書いたのだ。
クリーム『ディスラエリ・ギアーズ』、『エマーソン・レイク&パーマー』、BLACK CAT BONES『有刺鉄線サンドイッチ』…やはりロックについては語れないネコパパ。「ブレーキの壊れた蒸気機関車の突進」と聴こえたのは、さて、どれだったか。
ミシェル・オークレール(Vn)ウェス指揮ウィーン響のチャイコフスキー『ヴァイオリン協奏曲』米REMINTON…これが締めくくりの一枚。身が引き締まるようなひたむきなソロ。再生音がややキツ目に感じるのは、イコライザー・カーブが、いや、自分の頭のカーブが睡眠に傾いていたせいかもしれない…

-マントさん-
-パラゴンさん-
-洗濯船Mさんとrecooyajiさん-

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  • 2014年10月10日(金)14時28分

「2014、杜の会in 白馬」レポートNo.5

一夜明けて、台風の影響か、天候は雨。
メンバーは年齢のせいかみな早起きだ。昨夜話しきれなかったレコード談義がまだまだ続く。ボリューム満点の朝食を楽しんだあと、恒例の記念撮影はリビングで。
「10周年記念の会も終わりましたね。もう10年、続けたいですね。でも、20周年のとき、ここにいる人たちは何人残っているでしょうか…」
そんな、しんみりとした言葉も呟かれる。
ネコパパはこんなことを思った。
Mさんの装置は多くのイコライザー・カーブに対応している。
杜の仲間たちも、それぞれ固有の「脳内カーブ」を持ち、曲線はそれぞれ違っている。結構頑固な違いもあり、ズレも多い。
ところがここではそれが、うまく補正されているのだ。
趣味嗜好の違う仲間たちのカーブを補正するのは、「あの二人」も含む、メンバーの発生させる強い磁場である。回路は複雑だ。10年たって、この目に見えない装置は、ちょっとヴィンテージになった。次の10年使い込めば、ますます値打ちモノになるだろう。
入手は至難、価格は天文学的。
名づけて『イコライザー・アンプ・杜』。

By yoshitaka

-集合写真-
-来年もお会いしましょう-

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  • 2014年09月03日(水)09時17分

これだ!オーディオ術2

先週金曜日、ノムラ無線さんでイベントの準備をしていたときに電話、
「オーディオライターの村井ですが、新しい本を出したので新納さんに送ったら宛先不明で返ってきました。新しい住所を教えてください。」
「わ~、すいません。移転したときに案内を出していませんでした。」
実は昨年移転した際、移転の案内は誰にも出していなかったのだ。

で、日曜日名古屋から帰ってきたら本が届いていた。タイトルは「これだ!オーディオ術2」、アナログを中心に書いてあるようだ。
読んでビックリ、数年前桜山手でやった「杜の夏祭り」に村井さんが参加された時の話から始まっているのだ。あのとき「テレサ・テン/つぐない」で盛り上がった話や、うちのシステムの紹介まで細かく書いてある。
いやいやこれは嬉しい。
そして翌日の北九州、CROWさん宅でのミニ杜やそのあとの宴会の話も書いてあるのだ。

ずっと読んでいくと、「アナログ再生」「管球アンプ」「音源確認とは」など、とても興味深い内容になっている。

特に興味深かったのは「生音とオーディオ機器から出る音の違い」のところ。
○生音は押しつけがましくない。そのくせ、こちらから身を乗り出して聴くと、無限の情報を提供してくれる。
○生音は、音像や定位が再生音ほど明確でない。
など、共感すべきことが文章になっている。
最近読んだオーディオ本の中では一番のお勧め!

村井裕弥著:「これだ!オーデォ術2」

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