店主のひとりごと

 

  • 2015年01月14日(水)08時33分

USSYさんからの回答2

神社の件、近世史や歴史地理の分野の受け売りですが、一般に熊本平野筑後平野等々、平野と名のつく場所は、江戸時代以前は湿地・沼地・干潟。これを余所から赴任してきた殿様方が年貢収入の増を目指して全国どこでも排水事業を開始。全国どの藩も同様と考えて良いと思います。

徳川氏が占拠して本拠地を江戸と命名した地域では、利根川を渡良瀬川と鬼怒川に繋ぎ、最終的に千葉県の銚子で海に出るように改修したそうです。もとは利根川は葛飾区の中川や松戸市の江戸川につながっていたそうです。

それから、荒川は西隣の川につなぎ替えて、これが現在の隅田川、いまの荒川は大正
時代?の改修で、昔は荒川放水路と呼んでいたようです。こういった工事は、島津など関ヶ原で刃向かった西軍の外様大名が担当させられたともいいます。勢力を使い果たさせるためですね。

細川藩も、坪井川を白川から切り離して井芹川に流れるようにしています。江戸も熊本も海からの水運と洪水予防、有事にはせき止めて城下町を水浸しにする、ということを考えてのことだと思います。

よって、近世以前の旧い村や道路は、古賀でいえば米多比地区など内陸部にあったと思います。

USSYさんのお気に入り
Harry Edison / Buck Clayton / Harry Edison Swings Buck Clayton and Vice Versa

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  • 2014年11月20日(木)08時55分

11月の北海道

11月14日から17日までキャビン大阪屋さんのイベントに参加するために北海道に行った。福岡の11月はあまり寒くないのだが札幌は雪の日があるらしい。天気予報を見ると15日、16日は雪も降って気温は0度前後とのことで防寒対策をばっちりやって出かけた。

千歳空港に到着すると雪がない。「ラッキー」と思いながらJRで札幌へ。ところが札幌に近づくにつれて線路の両側に積もった雪が多くなってくる。で、札幌に着いたら道路以外は雪化粧。「雪は寒い」と思いながら外を歩いても全然寒くない。なんで?

目的地のさっぽろテレビ塔に到着。そして翌日からのイベントの準備を済ませて、歩いて10分ほどの距離にあるネストホテルでチェックインをした。
ではなくてチェックインし、支払いをしようと財布を取り出してクレジットカードを出そうとしたら・・・カードがない!いつも入れている場所にもないし、財布とバッグを必死に探したのだがない。
とりあえず他にもカードを持っていたのでそちらで支払いを済まし、部屋に行って再度探したのだが、どこにもないのだ。どうしよう?
なくした、どこで?今日カードを使ったのは福岡空港で搭乗手続きのときだった。あのとき置き忘れたのに間違いない。
すぐにクレジットカードのストップをする必要があるし置き忘れた場所に問い合わせないといけない。ストップしてくれるコールセンターがあるのだが、電話番号が判らない。
自宅に電話して奥さんにコールセンターの電話番号を聞こうと「大変なことをした」と言いながら、財布の唯一探していなかった小銭入れ(こんなところに入れるわけない)を開けたら・・・あった。で、奥さんに「大丈夫、間違いだった」と電話を切った。
見つかってみれば何でもないのだが、この20分くらいの時間は「何をどうやれば?」と簡単に表現できないほど苦しい思いをした。

イベントが終わって帯広に行き、オーディオ店のオーナーにこの話をしたら「ジジイになったんだな、年寄りは何をどこへ置いたと探すことが多いから」とおっしゃる。
言われてみればそうなんだけど・・・ショック!

イベントで最初にお買い上げいただいたデューク・エリントンのレコード

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  • 2014年10月10日(金)14時44分

「2014、杜の会in 白馬」レポートNo.1

「洗濯船」オーナー、Mさんの話は「イコライザー・カーブ」から始まった。

生の音楽は、人間の耳に聞こえない部分も含む、広大な音域で響き渡っている。
それを、容量に限界のある「レコードの音溝」にきっちり収録するために、技術者たちは工夫を凝らした。原音そのままを収録するには、低域の音圧がありすぎる。そこでそれを抑制し、代わりに高域を持ち上げ、再生時に本来の音のバランスに戻す…そのほか、多くの要因を補正していく精妙な操作が「イコライジング」で、そうして作られた録音用音域の分布を「イコライザー特性」と呼ぶ。
初期のLPレコードは、各社が最も適切と信ずる、自慢の特性が多数存在した。補正の度合いは、美しい曲線のカーブでグラフ表記され、ファンはそれらを、敬意を込めて「コロムビア・カーブ」「NABカーブ」「FFRRカーブ」等と呼び慣わした。
1950年代後半、業界にそれを統一しようという動きがアメリカで起こる。「RIAAカーブ」という共通特性が提唱され、乱立の時代は終わっていく。
しかし、長い時が過ぎても、古いレコードを愛するファンは残った。Mさんもその一人だ。
彼らは、古い盤を一般の器機でそのまま再生すると、高音や低音が強調されたり逆に抑圧されて不自然な音として聴こえてしまうことを知っている。
Mさんのレコード再生への熱情は、各盤の「カーブ」を適切に選択できるイコライザーを初めとする機能を、再生システムに構築させた。
自在にカーブを切り替え、微調整も可能な「夢の」装置が、杜の仲間たちの前に、現われる…

10月4日。
ここ白馬山麓、ペンション「洗濯船」での音楽愛好家の集い「杜の会」は、今回十周年。台風18号接近を横目に見ながらの開催となったが、幸い、上陸一日前の穏やかな天候での開催となった。
午後3時、地下リスニングルームにて「ひとむかし」を振り返るDukeさんの挨拶に続き、この間に亡くなられた二人の大切な仲間を偲ぶ黙祷…参加2年目の筆者ネコパパは、お二人に面識はない。しかし、二人のアナログに賭けた残留思念は、いまもそこに。

-10年を振り返って挨拶をするDuke-

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  • 2014年10月10日(金)14時41分

「2014、杜の会in 白馬」レポートNo.2

十周年記念の企画は「一押しの1枚」である。
まずはMさんの、歓迎の曲。
ローズマリー・クルーニー&ハリー・ジェイムズ『ハリウッド・ベスト』米COL。ハリーの伸びやかなトランペットに導かれる、クルーニーの温かみのある歌が艶やか。コロムビア・カーブとRIAAカーブの聴き比べでは、後者で高音に艶がかかるのがはっきりと聴き取れる。
Mさん、もう一曲。次は日本のヴォーカル。奥村チヨ『くやしいけれど幸せよ』日東芝。
これだ。60年代のAMで聴いた音は。中音域に声と伴奏が集中する温かい音が耳を撫でていく。

マント・ケヌーマーさんは、門外不出、原点の一枚をついに披露した。カール・シューリヒト指揮ウィーン・フィル、ブルックナー『交響曲第9番』英HMV。クラシックファン垂涎の、不滅の第3楽章アダージョが響きわたる。

Musashi no papaさんはトミー・フラナガンの名盤『オーヴァー・シーズ』。Metronomeオリジナル7インチEP盤と、ルディ・ヴァン・ゲルダーがマスタリングを施した米Prestige12インチ盤を比較する。素朴なMetronome盤のあとにPrestige盤を聴くと、奏者たちがぐっと前に出る。ベース、ドラムの音圧もすごい。何をした?ルディ。

ネコパパは、この日のために発注し、間一髪で到着した一枚を。
ブルーノ・ワルター指揮ニューヨーク・フィル、 ベートーヴェン『エグモント序曲』英PHILPS、モノラル。自宅で試聴したところ、国内盤に比べ低音多め、高音少なめに聞こえた。「FFRR(デッカ)カーブか」と当たりをつけ、Mさんに調整をお願いした。ドンピシャだ。柔と剛のせめぎ合うワルターの熱演、楽しんでいただけただろうか。

Roxanさんは、50年代、60年代、80年代を代表するロックの7インチシングル盤3枚。最初の2枚はジャケットなし。スリー・ドッグ・ナイト、マイク・オールドフィールド…、ビンときたのは、スリー・ドッグ・ナイト。ネコパパにはロックの文法がろくにわからない。申し訳なし。

Recooyajiさん、意表をついて、ダリダのヒット曲『甘い囁き』。アラン・ドロン語る、巧言令色の誘惑言葉を、ダリダの歌が跳ね返す…懐かしい一曲。

言葉、言葉、言葉
いつもの言葉 ただの言葉 安易な言葉 
はかない言葉 虚飾の言葉…
でも これでおしまいよ 夢のような時は
忘れてしまえば 言葉も 思いも 色あせる…

Recooyajiさんのもう一枚は、レナータ・マウロ『5』伊DIRE。夜の雰囲気に満ちたバラード。クレシェンドするフレーズが、聴き手にそっと近づいてくるようにも。希覯盤とのこと。とすると、こちらから彼女に近づくことは、難しそう。

Konkenさんの一枚。サド・ジョーンズ『モーター・シティ・シーン』日UA。デトロイトのジャズメンによるハード・バップ。フラナガンがいい。サド・ジョーンズ、ちょっと変わった音…と思ったら、コルネットを吹いている。車のクラクションをイメージしたのか?

チャランさんの一枚なら、やはりこれだ。藤原真理『白鳥・夢のあとに』日DENON。日本の誇る名チェリストのデビュー盤。演奏だけではない。デジタル初期の低ビット録音ではあるが、見事な録音である。これを聴くと、無闇にビット数向上を競う近年のハイレゾ論議の意味は何か、と思いたくなる。

Paragonさんは、女性ヴォーカルが二枚だ。ちょっと素人っぽい歌唱で、50年代アメリカの街の空気を運び込むナンシー・スティール『ニーティ・ニッティ』米キャリオカ。B級の魅力っていうのかな。
もう一枚は、堂々たる正統の歌声。イギリスのベテラン歌手ローズマリー・スクァイヤーズ『Everything’s Coming Up Rosy』英HMV。
艶香ではなく気品で聞かせる歌。ジャケットの笑顔と配色から「赤のロージー」の異名を持つ希覯盤。これとは別に「青のロージー」もあるそうだ。次は、ぜひこれも…。

病回復して幹事に復帰されたSPUさん。まずは、おめでとうございます。SPUさんの一枚は鈴木章冶とリズム・エース『鈴懸の径』1957年発売7インチシングル、日ビクター。
戦時中の歌謡曲をテーマにした曲は、スウィング・リズムに古さはあるものの、ファンも納得の本格派ジャズ。これがシングル盤として出ていた時代があったのだ。

そして最後にDukeさんがヘレン・カー『ホワイ・ドゥ・アイ・ラヴ・ユー』米ベツレヘム。
想像(妄想)を喚起する、ゴールドブラッド撮影の妖しいジャケットが艶かしい。斜に構えたヘレンの歌が、またそれによく似合う。

-Tommy Flanagan / Over Seas-
-赤のロージー-
-幹事をしていただいたSPUさん-

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  • 2014年10月10日(金)14時39分

「2014、杜の会in 白馬」レポートNo.3

休憩、夕食の時間となり、宴席はレコード話中心に盛り上がる。
そこに到着したワガママおやじさんに、部屋の空気は明るくなる。杜には欠かせない古株の一人なのだ。
夕食後はリビングにセットされたマッキントッシュ・スピーカー中心の、ますます磨きのかかったシステムを駆使して会が続けられた。

まずはワガママおやじさんの一押し。
『ポール・サイモン・ソング・ブック』英COL。これは伝説のデュオS&Gの全盛期にサイモンがソロで録音した一枚で、彼独特の抑えたナイーヴな情感が染みる一枚。
何を隠そう、中学生時代、ネコパパが初めて「モノラル」という言葉を覚えたのはこの一枚だった。ワガママおやじさんの話には、ステレオも存在するという驚愕の事実もあった。
PARAGONさん、「隣のお姉さん」ことキャロル・クリーヴリング『Vol.1』。アメリカの小さなレーベルが見出した歌手。私家版に近いもの?希覯中の希覯という。
ネコパパ。チェット・ベイカー『ムーン・ラヴ』pacific国内盤…これはチャイコフスキーの交響曲第5番第2楽章そのもの…ということでご紹介。
Roxanさん。『ハンク・モブレイとマックス・ローチ』米Debut10インチ盤。レーベル名のどおり、モブレイのデビュー盤。
Konkenさん。またもサド・ジョーンズ。今度はベッパー・アダムスとの双頭コンボで『ミーン・ホワット・アイ・セイ』米Milestone。トランペットとバリトンサックスは似合いのコンビだ。でもこれは、ベイカー、マリガンとは一味違う野性味がある。
Musashi no Papaさん、ルー・ドナルドソン『ブルース・ウォーク』米Blue Note。文字通り「歩く」歩調で進むリラックスした演奏が楽しめる。でも、オリジナル盤の価格は…リラックスできなさそう。はたしてPapaさんの盤のオリジナリティは?
Mさんの『日本昔ばなし』のテーマで、室内の空気が和らぐ。
チャランさん、ダイレクトカッティングによる古くて新しい『ディキシーランド・ジャズ』。
マントさん、ジャズのエッセンスを存分に取り入れたラヴェルの名曲『左手のためのピアノ協奏曲』を、名盤サンソン・フランソワ(p)クリュイタンス指揮パリ音楽院管弦楽団、仏VSMで。
盛り上げは…SPUさんのベイシー、エリントン両楽団が一堂に会した『ファースト・タイム』米COL。左右のスピーカーから両楽団が掛け合う妙味。
Recooyajiさんのボビー・タッカーのピアノトリオ盤『トゥー・タフ』米JAMIE。中間派の落ち着いた演奏でリビングの部が締めくくられるや…お待ちかね、杜の名物、オークションの時間だ。

-休憩時間のレコード談義-
-遅れて登場のワガママおやじさん-
-美味しい食事がずらっと並んで大宴会-

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